STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
森見・湯浅タッグ再び
原作は未読だが、原作者の森見 登美彦氏の作品は幾つか読了。
原作者が同じで、アニメ制作スタッフが被っていることもあって、出だしから
「四畳半神話大系」と似た雰囲気を感じていたが、話が進むにつれ「四畳半神話大系」のキャラが
登場してびっくり。どうやら同じ世界観を共有しているみたい。
更にキャラこそ登場しないものの偽電気ブランや三階建電車など「有頂天家族」とも同じ世界観
なのか?と思わせてしまう。こうなると樋口 清太郎が天狗を自称していたが、本当に
天狗なんじゃないか?と思ったり。
作品は別でも同じ世界観を持たせる作家さんがいるが、森見氏も森見ユニバース的世界観の中に
作品を展開させるタイプなのかな?。
展開的には青春らしさを感じさせる賑々しくも馬鹿馬鹿しい一夜を描いたもので、中身こそ
ハチャメチャで非現実なものだが、ノリ自体は青春時代を過ごした人は結構共感できるもの
なんじゃないかと。
こういったスラップスティックコメディ感は原作の森見氏の小説からして感じられるものだが、そ
れに湯浅 政明監督のポップ感が加わって、「四畳半神話大系」と同じく、より楽しさが
溢れるものに仕上がっている印象。
特に中盤の学園祭でのミュージカル展開などは、音が付いて絵が動くアニメならではの魅力に
溢れたもの。
原作では1年に渡る物語を、アニメでは一夜の出来事にまとめたものらしいが、印象としては青春時代そのものを一夜に凝縮したようなイメージ。
青春時代の一夜における様々な出会い、馬鹿騒ぎなどを描いた点で、ジョージ・ルーカス監督の
「アメリカン・グラフィティ」に似たようなものを感じてしまった。
キャストは声優と非声優の混成で、劇場公開作品ではよくあるパターン。
こういったキャスティングは非声優の演技が浮き上がって見えてしまうことがよくあるが、
本作ではロバートの秋山 竜次氏がうまく溶け込んでいた印象があった。
私感だが、非声優の中でもテレビドラマや映画だけでなく、舞台経験者は割とアニメのアフレコに
親和性がある印象がある。
カメラのアップがない舞台の場合、客席に演技を届けるためにメリハリのあるデフォルメ的演技に
なる傾向があるが、これがアニメのアフレコに向いているんじゃないかと。
そういう点ではコントも一種の舞台劇ということで親和性があったのかな?。
2020/02/23