プラ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
第一部:麗乃の転生人生スタートとマインの成長・転機
第一部は世界観の紹介といったところかな。全14話なのに、ゆったり進むなあと感じていたけど、最終回で第二部があることが発表されて、ほっとした。
内容の前に・・・まずは、作画。乱れることもなく、最後まで綺麗だった。非常に評価できる。次に、音楽。OPのゆったりと心温まるようなメロディがとても気に入った。声優とキャラについては、特に言うことはない。
内容はというと、ファンタジー寄りである。現代で本好きだった女の子が不慮の事故(?)で命を一度は失ったが、中世あたりのヨーロッパに転生して、新たな人生をスタートさせる話。転生した世界には本という概念はあっても、庶民が手に取れるものではなかった。そこで、前世では本に囲まれて暮らすことが夢だった彼女=麗乃(うらの)は「本を作製する」ということを第一の大きな目標として、新転生人生をスタートさせる。しかし、運が悪いことに転生して乗り移った女の子=マインは幼いうえにとても病弱であり、少し歩いただけでも倒れてしまうほどであった。早々に大きなハンデを背負った麗乃=マインは、果たして本を作製することはできるのか?
幸い、マインは前世の記憶、要するに現代における知識が残っていたため、本を作製するために必要な常識はあらかた備えていた。たとえば、紙が必要だとか、紙は木からできているとか。また、文字や数字の概念も体系的に理解しており、この世界の文字や数字もすぐに覚えた。
マインは前世の知識を使って、この世界にないものをいろいろと"創"りあげる。それを才能と見る者が多い一方で、近しい者たちの中には奇異な目で見る者もいた。家族は「マインはマインだ」とその才能を受け容れた。幼馴染(でマインに好意を寄せている)ルッツは、本物のマインではないことを知ったうえで、それを受け容れた。
マインは、父親の仕事仲間をつたって、商人ギルドに自分の才能を売り込みに行く。そして、ベンノのもとでルッツとともに商人見習いとして働くことになる。
しかし、マインに試練が訪れる。本を作製するという夢に近づきつつあったが、「身喰い」という病が徐々に悪化していく。身喰いとは、内なる魔力が抑えられなくなると起こる発作のようなものであり、魔法具がない限りいずれ発作で亡くなってしまう。マインのような身喰いをもって生まれてしまった庶民は、貴族に入門して魔法具で延命しながら一生召使として過ごすか、子どものうちに亡くなるしかない。夢に近づいたマインであったが、家族と過ごすことを選び、迷惑のかからないうちにギルドも去った。
そんなマインに転機が訪れる。成人式で神殿に訪れた時、本がたくさんある空間、麗乃の感覚で言う図書館をたまたま見つけた。しかし、図書館には神官しか入れない結界が張られていた。考えなしに突き進んでしまうマインは、神官の見習いになることを申し出た。神官長は、貴族の出であろうと思ったのか、マインの申し出を素直に受け入れる。
マインは高揚した気分で両親に神官の見習いになることを伝えたが、父親が激怒。基本的に親子間や人脈の関係で仕事=職人技が継承される世界で、大人になっても仕事に就けない身寄りのない孤児(と「厄介払いされた貴族の子」)がやるのが、神官であった。ほぼ奴隷のように働かされるという場所に娘をやるわけにはいかず、父親は猛反対。さすがに賢いマインも、事態を理解し、神官への道は断念する。
しかし、マインが身喰いであることを知った神官長は、その魔力を欲っしてなんとかしてマインを引き留めようとする。そこで、マインの両親を呼びつけるが・・・両親が平民であると知った神官長は急に態度が横柄になり、マインの両親を捕らえて、マインを幽閉するよう告げる。それに反応したマインは、感情が最高潮に達して、ついに「内なる魔力」が顕現し、神官長を死の淵まで追いやってしまう。それを隣で見ていた副神官長は、マインの怒りを鎮め、対等に対話することを申し出る。
神官になると、いわば神殿に閉じ込められてしまう。本を作製するという夢を諦めたくないマインは、神官をしながらも本の作製に必要な工房の仕事や、ルッツとの商売上の関係を続けられるように、取り入った。
・・・ここで、第一部が終わる。さて、続きが楽しみだ。