かがみ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ゆるゆり以前、ゆるゆり以後
大正期における「花物語」をはじめとする少女小説の中に胚胎した百合の系譜は「マリア様がみてる」以降、2000年代以降サブカルチャーのジャンルとして確立し、そして今「ゆるゆり」に至る。しばし「ゆるゆり以前、ゆるゆり以後」と評されるように、本作の成功によりこれまで何かと敷居の高く後ろ暗いイメージがつきまとっていた百合というジャンルは一転して、カジュアルで肯定的なイメージで捉えられるようになった。その一方で本作の成功は百合というジャンルに誤配を招く可能性を拡大させてしまった事も確かである。けれども本作がサブカルチャー作品全体における百合描写のハードルを大きく引き下げ「百合」というジャンル自体を活性化させる契機となった事は確かである。誤配は時に良い方向にも作用する。これまで「百合」というジャンルが「排除」ではなく「包摂」の原理で発展した事に鑑みれば、これからも様々な百合の花が咲いて行く事を願うばかりです。