ひろぞう さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
パイオニアとしての特権
一時代を作ったパイオニアとしての特権という物があると思う。
シャアとアムロとの因果と因縁の完結編として制作された物だが
それまでのシリーズを全て視聴したとしても、何となく心のどこかに「もやっ」とした物が残る
だがそれは「ガンダム」という一時代を作った、パイオニアとして容認されると思う。
何故かと問われた時には
「それがガンダムという物だから」と返答できるので
それは一つのパイオニアとしての特権だと思う。
どうしても同世代を生きてきた人間として、点数を付けると甘めになるのは、自分の少年期から思春期、青年期を共に過ごしてきた、私としては致し方ないのをご理解いただけるとありがたいと思うのですが。
現在一つの作品として単純に評価した時には、これを越えると思う物はいくらでもあると思う。
それでも共に生きてきた「戦友」としての、自分の中での永遠の10位枠に止めたい気持ちが先走る。
劇場で見た時に特に感じたのは
「二人ともやること変わらんなあ」で
ザビ家打倒したあとに、もう生きていく目標がなにも残っていないから、なんだかんだ理屈を付けたとしても結局
「一エースパイロットとして打倒アムロができれば何でもいい」
というシャアの宇宙世紀における、その自分の立ち位置に比べるとあまりに矮小な目的というものは、作中の台詞で吐露してしまうし。
主人公という物は土台受動的な物だが、それにしても三十路過ぎてもMSの操縦技量以外は、あまりに優柔不断で決断力のないアムロとか
今となっては私と同世代の人間にしか理解し得ない部分があるから
今単体としてこの作品を、諸手を挙げてお勧めできない部分も多いのだが。
だが私ら世代には一つのモニュメントとしてやっぱり何度でも見てしまう。
それも一つの一つの時代を作ったパイオニアとしての特権だと思う。