ひろぞう さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これぞ本物の異世界転生物
あんまりネガティブ作品評価ばかりするのもなんだから
ポジティブ評価も
ボロクソ「なろう系」実はなににも本来なりきってもいない、ボロクソ異世界転生物と比べて、決定的に違うのは
前世というか、現代日本での今までの経験というものを生かして、異世界での現状を打開する。
ここがボロクソ破綻作品と違う。
本来異世界転生物ならこうあるべきという指標を指し示した作品だと思う。
ある程度の世界史知識と、その他サラリーマン時代で培った経験を、過酷な戦場で生き抜くために駆使する。
そして世界は主人公に優しくもないし、当然世界が主人公に合わせてくれるわけでもないし、謎の存在Xという妨害勢力までいる。
最近の読者視聴者は「主人公が成長する、努力する過程を見ることを嫌がる」傾向があるらしいが
私らの感覚で言えば、乗り越えるべき壁が高ければ高いほど、その成功時のカタルシスが大きくなるし、強力なライバルいてこその主人公もより輝きを増すという物だと思う。
シャアあってのアムロだし、ヤンがいてのラインハルトだし、ビシャスがいてのスパイクだと思う。
こういう考え方って、もはや時代遅れのロートルなのかなって。
日本人の古来からの勝負論は
「柔よく剛を制す」だと思うのだが
それで世界にアメコミの凋落と共に、ジャパニメーションの名声を高めていった歴史があるのに。
果たして戦術、試行錯誤なしの、力押しでただ勝ってしまう「無双系」作品ばかり世に送り出してしまっていいのかって杞憂がある。
そういう作品を褒める輩の二つ言葉は
「なにも考えず楽しめた」なんだが。
そういう作品の存在は否定まではしないが、そればかりやった時にはアメコミのように、ジャパニメーションの滅亡の路線も決定的になると思う。
大体勝負って競った勝負だから、そこにおもしろみがある物だし
そもそも弱点まるでなしの主人公ほどおもしろくない物はない
ウルトラマンはカラータイマーあるからやきもきするのだし
キャシャーンは雨続きではソーラー充電だから、身動き取れなくなってしまう
そこに一喜一憂するのが「物語」という物だと思うけど
ちゃんと中身が入っているこういう作品だって、無理に思考働かせなくても楽しめる物だと思うけど。
本来いい作品という物は「間口は広いが実は奥深い」という作品だと思う。
実際の第一次世界大戦のドイツ軍人の中にルーデンドルフやゼイトゥーアは該当人物がいます。
そういう問答無用に塵芥のように他人を蹂躙して
「なにも考えずに楽しめた、スカッとした」なんていう層が、激増しているのなら、日本人の古来からのメンタリティーはもはやなき物だし
本当に恐ろしい世の中になってきていると思う。