シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
男達の生き様、死に様に釘付けなんです。
原作は読んでません。
ヴァイキングについては大男の海賊たち?ってくらいの認識で、
子供の頃微かな記憶ですがビッケってアニメ観たことあったなって
思い出します。
この作品で登場するヴァイキングは、勇壮な男達ってよりも
暴力、略奪当たり前で、襲った村は最後焼き払い女、子供もまったく容赦なく殺しまくりです。
そして実際それが事実だったのでしょう。
きっと実写だったらきつすぎるかもですが、そのリアルで時に
胸が苦しくなるような容赦のない描写は怖いもの見たさの感覚もあるのか!?どんどん目が離せなくなってました。
真実を知らない、無知ということはある意味恐れ知らずです。
戦での手柄を夢見ていきり立つ若者達。
トールズが殺された時、トルフィンもただのそんな若者の一人でした。
そして本当の意味で視聴してる自分もその過酷な状況を本当の意味で
知らないのです。
ちょっと目を覆いたくなるような描写も、それを恐ろしい、嫌悪感を
持つってことが一人の人間として意味があるように思えます。
まあそんな気難しい事を考えるまでもなくこの作品の何処か
惹きつけられる癖の強い男達の生き様、物語が面白いんですけどね。
序盤から置かれた状況が過酷すぎるトルフィン。
復讐を果たすため何とか生をつないで仇であるアシェラッド達と共に
旅をしていきます。
その血筋もあるのか、とてつもなく強くなるものの彼らに都合のいいように利用され、危険な役回りをこなしていく姿は哀れさもありました。
後半は、小者から大者まで、その死に際を丁寧に
描き切った見応えのある展開にどんどんハマっていきました。
女の様なロングヘア―のひ弱な王子クヌート。
彼がラグナルの死後、突如人が変わったような成長を遂げる姿には驚きました。
(ちょっと前にトルフィンにからかわれてたのが、嘘のような王の風格。その察しの良い判断力で一気に魅力的なキャラに。
対するトルフィンがアシェラッドへの復讐だけしか生きる意味を持ってなくて終盤はやや残念キャラになってしまってました。)
とんでもない強さで戦士として戦う事のみを生きがいにするトルケン。
アシェラッドの右腕で一番常識人だったかもって思うビョルン。
癖の強い男達ばかりの登場人物ですが、最も印象的、ある意味好きにさえなってたキャラは断然アシェラッドです。
常に冷静で頭も切れるし何より強い!
デーン人を心の底から嫌ってた彼が最古参で自らを尊敬し慕ってた
唯一の男ビョルンにとどめを刺す。
死ぬ寸前で友と打ち明ける、そんな不器用さが寂しいです。
スヴェン王のウェールズ攻めの命令により、急遽追い詰められた
アシェラッドの最後の立ち振る舞い。
故郷を守るために、そしてその王殺しを無駄にしないよう、クヌートに
道筋をつける。自分の死すら利用させるような狂気を演じきる姿は
流石でした。
そして死の間際トルフィンに
どう生きるつもりかを問いただし、先に進む道を示し
「本当の戦士になれ・・・・・」
なんか、それまでに散々彼の残酷で冷徹な一面を
観てきたのに彼の死に様にちょっと感動してしまいました。
音楽はOP、EDともに前半の曲が好みでした。
OP「MUKANJYO」/Survive Said The Prophet
知らないアーティストさんだったけど毎回飛ばさず聴いてました。
終盤の魂の叫びのような絶叫が耳に残る
この作品にあった楽曲だったと思います。
EDは「Torches」/Aimer
エメさんの声が
北の大地の中での壮大なドラマが蘇る、余韻が残る素敵な楽曲でした。
自ら戴冠し王位を引き継ぐと宣言したクヌート。
思わぬかたちである意味生きる意味だったアシェラッドを失って
仇討ちが決着してしまったトルフィン。
形見の短剣に映し出されるこれまでのフラッシュバックの演出。
なんか胸が熱くなりますね。
最終話24話のタイトル「END OF THE PROLOGUE」
これからが真の物語の始まりってことにちょっと興奮しちゃいます。
もちろん2期も視聴予定だしトルフィンの今後が早くも気になります。