Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
最前線にて幼女は嗤う…
この作品の原作は未読ですが、2017年の冬に放送されたTVアニメは視聴済です。
碧ちゃん演じるターニャ・フォン・デグレチャフ少佐を一目見た瞬間、TVアニメを視聴していた当時の記憶が一瞬にして引き戻された感覚を覚えました。
統一歴1926年
ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、
南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。
凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部からの特命であった。
曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。
新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦火を拡大してゆく……
時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。
敵の敵は、親愛なる友。
国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。
メアリー・スー准尉。
父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
テレビアニメから劇場版公開まで約2年の歳月を要しましたが、彼らの戦争は激化の一途を辿っていたようです。
勿論、安全な後方勤務を望んでいたデグレチャフ少佐も最前線に縛り付けられていました。
個人的にはデグレチャフ少佐が希望する後方勤務の希望はきっと叶わないと思っています。
何故なら、彼女の最前線における獅子奮迅な立ち振る舞いが、帝国軍に対してメリットとして必ず還元されることを上層部は知ってしまったから…
上層部がこんなに美味しい花の蜜をおいそれと手放す筈がありません。
だから良くも悪くも、まるで現実社会における中間管理職そのもの…
これがこの物語の根幹を下支えしているのですから、面白いのは当然なんだろうと思います。
だって、私たちがあくせく会社のために働くサラリーの部分が一緒なんですから…
そしてそれは決して悪いことじゃないと思っています。
一方、物語の方ですが、INTRODUCTIONに記載のある通り、これまでの協商連合・共和国に加え、連邦や多国籍義勇軍までもが帝国の敵となり、帝国の廻りは敵だらけという状況になります。
しかも、例えば民主主義と社会・共産主義くらいお互いの思想が異なっているので、相容れるという選択肢は存在しないんです。
いくらデグレチャフ少佐率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊が優秀であったとしても数で押されたらジリ貧です。
勿論、第二〇三航空魔導大隊の懐は相当に深いです。
ですが、一桁異なるほどの圧倒的数と武力の差があったとしたら…
加えてINTRODUCTIONに記載されている一人の少女…
これがまたデグレチャフ少佐に対して相当やっかいな存在だったんです。
どの様にやっかいだったかは、是非本編を見て欲しいと思います。
ですが、作戦を考えている時のデグレチャフ少佐の雄姿は格好良いの一言に尽きます。
様々な情報を総合的に勘案し、様々な角度からあらゆる事態と危険を予測する…
そして作戦が見えた時の目のギラっとした輝きが少女のそれではなく、凛々しさすら感じる程なんです。
思考や物事が同調連鎖的に頭の中で繋がっていく瞬間って気持ち良いですからね。
完走して思ったこと…
戦争は軍人の生業であり、いかに雑念を排除できるかで軍人に徹することのできる領域が自身に増えていく。
結局はプロの領域で本領を発揮できるのは、その道の達人であるプロだけなのかもしれません。
劇場版だけあって迫力も満点です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
エンディングテーマは、MYTH & ROIDさんの「Remembrance」
挿入曲は、碧ちゃんの「Los! Los! Los!」
「Los! Los! Los!」はTVアニメ本編でエンディングに起用された楽曲です。
聞いた瞬間に鳥肌が立っちゃいましたよ。
上映時間100分強の作品です。
デグレチャフ少佐を堪能し尽くせる出来映えの作品だったと思います。
碧ちゃん推しの方には是非チェックして欲しい作品だと思いました。