ローズ さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春→朱夏→白秋→玄冬
文芸部に所属している高校生の小野寺和紗。
文芸部所属の5人が”性”について真面目に向かい合うのであった。
作品の主題となる「性問題」。
この問題の解は難しいです。
日本の古典の代表作『源氏物語』も見方によってはポルノと捉える事もできます。
今は俗世から離れた瀬戸内寂聴(晴美)さんも若い頃はエロエロな生き方でした。
性については、個人によって考え方が違います。
例えば、作中に登場した「色鬼」の色が、見た人の主観に頼る事もあり、
自らの主張が通る事は難しいです。
ただ、その性という難しいテーマに挑んで表現した本作品には拍手を送りたいです。
人間の業、すなわち欲望には際限がありません。
その欲望を直接的ではなく間接的に表現しようという努力がみられます。
一例ですが、男女のカップルが2人で一緒のベッドにいる事だけでも、直接的な性表現になり得ます。
(性的な関係を持った、という事後表現と考えられます。)
年齢制限指定されずに誰でも見る事ができるように、人間らしい生々しい表現に比喩を使い、間接的な表現となっています。
ここでOP曲『乙女どもよ。』の歌詞を引用
「愛から生まれた 1冊の本には まだ書かれていない 恋という1文字
退屈な 15ページだった 次をめくると 息が詰まり溺れた
文字にできない この感情に 今日も理不尽に 打ちのめされた
潔癖だった 知りたくなかった この苦しさの 正体とか
だけど
傷ついても 読むことをやめない 綺麗じゃいられない 君を知るページ
荒ぶれ乙女たち 坑え乙女たち 痛みを知ってゆけ しおりはいらない」
歌詞だけで、本作品の内容を上手にまとめている気がします。
文芸部という制約という中でも性問題について立ち向かう事ができる、決意表明みたいな感じでしょうか。
難しいテーマに一生懸命に取り組んだ文芸部員達は頑張りました。
狙え!芥川賞!!