kute さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:----
タイトルなし
小説を読んだ後のようにしみじみ浸れる作品でした。
不思議な雰囲気を纏う青年2人が一見愉快犯のようでありながら鮮やかに東京都庁を爆破してみせるというショッキングな事件から物語は動いていきますが、その爆破テロでは死人は出ておらず、また、青年たちは1人の少女を助けました。
彼らはどこの誰でなぜ爆破テロを行うのか
なぜ少女を助けてしまったのか
サスペンス的な面白さとは別に彼ら自身にも着目して見てもらいたいです。
{netabare}
「これまでもこれからも与えられなかった」天才たちが望んだものとは
ネタバレになりそうなので外しましたが本タイトルはこっちでした。
幼い頃から実験台として扱われ、存在を消され、寿命を奪われ、天才として作られながら何も為すこともなく消えていく運命の2人。
そんな2人が才能を惜しみなく注いでテロを起こしてまでして最後に望んだ事は自分たちを知ってもらう事だった。
テロとか政治問題に目が行きがちですが個人的には余命幾ばくもない天才たちの最後の花火的なドラマとして楽しめました。
最近は何かと疎まれがちな承認欲求ですが、それでも人はそれに幸福を感じ、本来なら自然と親や友人から与えられるものです。それをこれまでもこれからも与えられなかった主人公の2人にとって、自分が誰であるか知ってもらうということは常人には理解できなくてもとてもかけがえの無い事だったのだと思います。
だから例え偶然で足手まといでも最後にリサという似た境遇の子と友達になれたのは2人にとって救いになったんじゃないかな。
ハイヴも狂人のように振る舞ってますが施設生活が一番長ったわけで本当にナインしかない、死ぬ前に一目ナインに会いたかっただけなのかも……って考えんてしまうとまたこうじーんと来るものが……
ともあれとても良い作品でした。
{/netabare}