kabaj31 さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
催眠系アニメ。
見てるとだんだん眠くなる。
追記:
視聴完了。
うーん・・・めっちゃ良かった。最終話がアツイ。
かなり後を引きずる作品かもです。
原作は漫画で5巻。読んでません。
監督はインタビューでずっと映像化したかったと言っています。
監督が原作者と会った時に「見つけてくださってありがとうございます」と言われたそうです。
まるで悟と林さんじゃないかと思いました。
ストーリーについては、”真っ当に生きられない人たち”がベースにあると思います。
催眠術(+α)の能力も出てきますが、あくまで人間ドラマがメインです。
序盤は能力モノらしく、催眠術でターゲーットを潰していく、その仕事っぷりが数話続きます。
あくまで仕事っぷりを見せることがメインで、そのターゲットに関する後の展開がどうこうというのは、
あまり深く考えない方が良さそうです。
(なんと3話はアニメオリジナルのエピソードだったようです)。
催眠をかけるシーンや精神世界で記憶を書き換えるシーンなど、不気味で奇妙なテイストがあって面白いです。
催眠術というのは、あなたは今こういう状態ですと、声をかけて、徐々に落としていく感じだと思うんですが、
それの強力な感じの能力だと思います。
さらに、シンクロしてその人の記憶の中に入ってしまうというのは、視覚的に見てわかりやすいと思いました。
ただ、催眠術とはどういうものかという知識が少しあった方がいいかもしれません。
林さんのヤマの景色の時のBGMが、聴いてると非常に眠くなるのですが、
催眠効果でもあるのかと思いました。
第4話の終わりで、行方不明だった林さんと司が頬を染めながら出会う辺りから非常に面白くなってきました。
林さんを潰してしまい、どんどん病んでいく司の様子が見どころなんじゃないかと思います。
司役の声優さんはインタビューで原作のファンだと言っています。
鼻歌を歌いながら着替える時の心の声がとても良かったです。
テンションがどんどん上がっていって(偉いよな悟は、悟はバカで偉い)、最後に林さんの姿が思い浮かぶと、
オロオロオロとあしたのジョーのようなキラキラとしたゲロを吐くシーンが迫真の演技ですごかったです。
ロンと社長との食事のシーンで護身用にピストルが欲しいというシーンで汗がダラダラのところとかも印象に
残りました。ここでもまたゲロを吐いてました。
頬がこけ、目がイっちゃって、よだれが垂れて、だいぶヤバイ状態でも頭は非常によく回る司、
司はどうなっちゃうんだろうと思いながら見てました。
ヒロキは最初声がヘタクソかと思いましたが、だんだん良くなって来たというか、
キャラを演じているというより、ヒロキがそのまま喋ってる感じがして、実はすごい良かったんじゃないかと思います。
桂木に対してもタメ口で、感情がストレートで、物語の中で自由で一番縛られてないキャラかなと思います。
でも半魚人化してる時のヒロキの見た目は非常にキモいです。
司の大事なペットで、司はヒロキだけは自分を裏切らないと、絶対信用しているし、
ヒロキも司を信頼しているけど、少しずつ司に不信感を抱くようになります。
桂木はいつもタバコを吸っていて、徹底して嫌なやつでうっとおしいおっさんで、嫌われものって感じです。
でも立場が低いようで、司やロンなど他のキャラからはタメ口を聞かれたりドヤされたりもします。
エンドカードで桂木のイラストを描く人が結構いて、意外と人気なんだなと、それがちょっと面白かったりします。
林さんは、非常に優しい声で、良い人という感じです。
チャーシューメンをかっ喰らうシーンがインパクトがありました。
監督のインタビューによると、林さんという小汚いおっさんをみんなが取り合う構図が面白いということで、
チャーシューメンのシーンは外せなかったということらしいです。
だからあんなに力が入ってたシーンだったのかと思いました。
ロンはまさに悪役という感じで、顔の表情がすごい良かったなと思いました。
ニヤニヤしたり、スッと無表情になる所に冷酷な人間味を感じます。
他にも色々書きたいことはあるんですが、ヒロキの声優さんがインタビューで言っていたように、
”見てナンボ”という感じなので、そろそろ締めに入ろうかと思います。
ざっくり言うと、
司がどうするの、どうなっちゃうの、という所が、非常に面白かったな、という感じの作品でした。
(12話までは)。
そして、第13話。それまででも十分面白かったのですが、まさかピークがここかと思いました。
すごいです。
水泳選手の言葉を借りれば「なんも言えねえ」くらい圧倒されました。
桂木で泣きそうになってしまうし、わーっと広がる司の記憶、思い出がどんどん消えていってしまうところが綺麗だけど悲しい、
最後に残った、司にとって最初の記憶だった林さんを金魚が飲み込んじゃう、ポチャンと水の中に落ち泳いでいくところが儚くて悲しい。
EDのイントロが流れて、あの景色と、吹きあがる風、悟がアツイ。
ツートンカラーの悟が風を受けながら放つセリフ、その声、最高でした。
悟の勢いに、このたった5巻しかない漫画を映像化したくなる気持ち、熱意を感じました。
萌えキャラがいないし、暗めのストーリーで、これを見ようという気持ちに中々なりにくいかもしれませんが、
もっと多くの人にこのアニメを見てもらえたらと思いました。