takato さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
家族と夢ってそんなに二項対立してないような…
やっぱり流石のピクサー!。ただ、前作の「モアナ」が良すぎたというのもあって少々粗が目立った。
相変わらず全体的に素晴らしいクオリティー。短い時間の中でちゃんとキャラを立てて、テンポよくストーリーを進め、テーマもしっかり展開する。一見当たり前のようだが、この当たり前をできてるところがどれだけあろうか…。
しかし、凄いレベルの高いピクサーワールドの中では少し脚本が弱く感じた。ミスリードの展開があるんだけど、少々あからさまというか、ちょっと安易だったかな。あと、テーマがこうだから、そのためにこういう展開を…という作り手の意図が見えすぎていた。
なにより一番ひかかったのが、結局家族が一番!というテーマ。現代日本ではもうどうかと思うし、個人的にもあんまり乗れず。しかもそこを押し出し過ぎ気味なところがあって勿体なかった。そもそも家族と夢ってそんなに二項対立してないような…。
宗教も共同体も家族も解体されて、みんな個人になっちゃってるのは仕方がないことだと思う。故に、これからの社会での幸せは、他者にできるだけ依存しない「非属の才能」、孤独の才能だと考えてる私としては、一番大事なのは自己実現や自己表現、すなわち自分の道を究めることで、その点「モアナ」が示していた。自らの道を行き、自己実現した者が結果的に世界を変え、家族を救うってテーマの方が自然かつ自分には最高だった。
気になる部分が多かったが、見る価値は十分あり。それにしても短編?の「アナ雪」は何だったんだろう?。クリスマスの季節でもないし、結論が近いから?。エルサのマントのヒラヒラ具合と質感くらいしか興味持てず。