たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「デジタル」化されていない「アナログ」な世界
2020年、アカデミー賞作品賞候補であり、長女ジョー役のサーシャローナン(「レディバード」「ブルックリン」)も主演女優賞候補でもある「若草物語」は、1860年代のアメリカで「南北戦争」において、黒人奴隷撤廃と身分平等を旗とする「北軍」の立場からアメリカ史を、当時を生きたピューリタン(キリスト教プロテスタント)の4姉妹の恋愛と成人と結婚までを描いた青春物語である。
本作は何度も映画化され、アメリカ文化において「南北戦争」で「北軍」の立場を支持する政治思想は非常にリベラルであり、実にハリウッドらしい政治の立場だといえる。トランプ政権が中東から中国、ひいては北朝鮮と。。かなり危ういアメリカの内向きな政治状況を考えると、このタイミングでアカデミー賞候補に挙がるのは、リベラリストの政治的示唆に及ぶものだと思う。
今の時代、すべてが「デジタル」化され、TVやアニメ、ゲームはもちろんのこと、本や漫画ですらデジタル処理されて後世に残しづらくなるほど情報が氾濫している世の中で、レンガ造りの家で暖炉を囲み、食事は家族全員で行い、盛んに姉妹同士のコミュニケーションをしながら、少女から女性になり、結婚をして子供を作って育てて、また家族を作る。。
そんな「アナログ」で平凡な人生がいかに大切かを教えてくれる。キリスト教徒のプロテスタントならではの教育的な作品です。