ぴょんち さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
沢山の笑いあり!涙あり!友情あり!愛情いっぱいに描かれた作品
アニメ放送前CMでよく見かけ、すごく推してるようだけど、絵があまり好きじゃないかもなぁと、正直あまり期待はしていなかった作品でした。(ごめんなさい)
…が!!!
観始めると一変、一話からすぐに心を持っていかれ、毎週楽しみで仕方ないくらい、作品の世界にどっぷり引き込まれていきました。
それは、何より作り手さんたちの作品に対する愛情がいたるところから伝わってきたからです。
まず、4人の主要キャラクターの個性がとても立っています。
高校生になったら何か変わる、何か始めたいと思いながらも始められずにいた、明るく好奇心旺盛ながらもマイペースなマリ(キマリ)。
{netabare}中学の頃、南極観測隊員の母が南極で行方不明になってから、頑なに南極へ行くことを夢に見、何がなんでも実現しようとする、志し高くも、実は人見知りでやらかしマンな残念エピソードの多い残念美人、報瀬(しらせ)。
高校の部活で、妬みから心無い言葉を言われたり、裏切りや有る事無い事を言われ、高校中退をするも、コンビニバイトをしながらも勉学に励む、気遣い屋のお調子者ムードメーカーな日向。
幼少よりタレント業をしてきたため、友だちを作ることができず、そのため3人より年下だが大人びており、冷静で冷めた言動が多いが、人一倍親友に憧れを抱く結月。{/netabare}
個性豊かなキャラクターが、それぞれの過去や悩みを抱えながらも、共に南極を目指し友情を育む中で、成長、前進していきます。
その表現がとても丁寧に描かれているので、心打たれるものがあります。
この4人の主要キャラクター以外の一人一人も、キャラクター設定などの内から、外見などの外まで、非常に丁寧に描かれています。
4人の中でも、南極に向かうにあたりのキーパーソン、お話し的に主役的ポジションはやはり報瀬ですが、実際は4人の中での主役としての位置づけ、主な視点は平凡な少女、キマリに設定されています。
これがまた見せ方としてとてもよくできていて、報瀬をメインに置いての構成、視点での表現だと、ここまでの胸に迫る表現はできなかったと思います。
あくまでキマリがいて、報瀬が一層立つんだなと。
この辺りの表現の仕方も描き方の妙だと強く感じました。
また特徴的なのが、一人一人の動きもとても丁寧に描写されています。
商業目的の作品や、作画崩壊を起こしているような作品でありがちなのが、メインで話したり行動しているキャラクター以外の後ろのキャラたちが静止していること。
ですが、この作品では後ろに映るキャラクターたちが皆それぞれ個性豊かに動いていて、常に生き生きとしています。
細部まで非常に丁寧に描かれているので、ついつい一時停止しては戻し、停止しては戻しと、それぞれのキャラクターに視点を当て直しては見直してしまいます。
これだけ一人一人をしっかりと描くのに、どれだけの愛情と労力がかかっているのだろうと思わずにいられませんでした。
一人一人が生きています。
そして、背景や音楽への拘りも素敵です。
街並みの風景もさながら、南極への旅に出てからの風景は、作品の世界をより広げてくれます。
行ったことのない南極ですが、描写から、その広大さに想いを馳せてしまいます。
澄み渡る空気を感じたり、五感を伝えられる作品は素晴らしいと思います。
音楽もOPがとても好きで、聴くだけで心弾み、何かに挑戦したり、前進したくなります。
お話しの中で流れてくる挿入歌も一層物語を盛り上げてくれるものばかりです。
もう一つ好きなのが、インスタ風の各話のサブタイトルの画面。
こちらも凝っていて、にまにましながら一時停止しては戻しを繰り返してしまう凝りようでした。笑
基本的には明るく前向きに前進していこうとするスタンスで描かれ、思わずクスッと笑ってしまうような場面が沢山散りばめられていると共に、それぞれに向き合う過去や悩み、闇の部分もしっかり描かれ、そこに立ち向かっていく成長と、深めてゆく友情がしっかりと描かれています。
友情、家族、仲間。
涙なしには観られません。
何度観ても沢山笑って、沢山号泣してしまう、素敵な作品です。
5本の指に入る大好きな作品。