ぴょんち さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
身近にあることだからこそ共感し、何度観ても涙を流してしまう、心抉られ洗い流す作品
誰もが一度は経験したことがある、学校生活で起きる身近なことがら。
そんな事柄から、主人公やヒロイン、その周りの人たちが色々な後悔、葛藤、自己肯定と否定の狭間で戦いながら、人との関わりを通して成長していく物語。
元々漫画のお話しですが、そのテーマ、お話しが元々すごくよくできていて、深く、映画化をワクワクしながら待っていたお話しでした。
アニメ映画として動画や聲の命を吹き込まれ、心理描写がとても繊細で、丁寧に描かれていて、心に迫るものがあります。
京アニの美麗な作画も、山田監督特有の心の表現の仕方も、さすが!と言いたくなる表現力の素晴らしさには眼を見張るものがあります。
作画、表現、音、声優さん、全ての作り込み具合から、それぞれの作り手さんの愛を感じる作品でもあります。
私自身、障がい者の方と関わる勉強もかじったりしていて、実際に色々な施設に通ったこともあるのですが、ヒロイン声優の早見沙織さんの演技は本当に自然な演技で且つ感情表現の豊かさは、京アニの豊かな表現と相乗効果でひとつひとつの演技が心に響きました。
今回はたまたまヒロインが障がいをもった女の子でしたが、障がいの有無に関わらず、誰しもが学校、社会の生活の中でこういった経験はあるはずです。
いじめる人、いじめられる人、おもしろがっていじめに加担する人、恐怖から加担する人、点数稼ぎをしようとする人、傍観者、助けたいと思いつつなかなかできない人。
色々な立場での経験があることと思います。
その経験から、それぞれに思い、悩み、感じ、考え。
時を経て、成長していきます。
アニメですがアニメやドラマ、というよりも人と人との関わりと成長をリアルに描いた作品だと思います。
あるよね、こういうこと。と。
悩んだり、考えたり、そこからその人ごとの成長があったり、そんなこと、あったよね。
苦しいことを乗り越えた「今」だからこそ、ぶつかり合って正直に話し合えた「今」だからこそ、一緒に乗り越えた「今」だからこそ、笑って話し合えることってあるよねって。
こんなにも人に寄り添い、深く響き、考えさせられる作品と出会ったのは初めての経験でした。
心を突き動かされるとはこのことだなと。
元々大好きなアーティストがお勧めしていた漫画作品で、映画化される前から漫画も読んでいたのですが、映画上映も何度も観たくなり、初めて3回も通ったり、初めて1人での鑑賞もしに行ったりと、本当に大好きな作品で、その度にお話しを知っていても涙を流してしまう作品です。
心が洗われる名作だと思います。
その大好きなアーティスト、aikoの歌「恋をしたのは」も観終わった後、涙に滲み、震える心を綺麗に洗い流し、暖かく包み込んでくれます。
好きなアニメ5本の指に入る作品。
人の心や成長を描く作品が好きな方には、是非観てほしい作品です。