ゼルミナ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
百年後の評価が楽しみな傑作
2020観了。
ヘンな意味ではなく、「日本ならでは」の作品だと思う。
アベンジャーズと比較すると色々面白いんじゃないかなぁ。
まず、アニメ、漫画、ゲームの象徴的な劇中作とキャラクターを作り上げたことに惜しみのない拍手を送りたい。
安易なパロディではなく、その「ジャンル」の最大公約数的な造形になっているのが上手い。
そして、物語のキーになる「軍服の姫君」がまた上手い所を突いている。
アニメ、漫画、ゲームの有名キャラクターを向こうに回して競り合える彼女が、いったい何処から来たのか、そして何処へ行くのか…それは本作の物語そのものなのだが、盛り上げ方といい、せめぎあいの展開といい、結末と言い…
いや、大好き。
正直、物語は☆5じゃ足りない感じ。
理屈や設定上の「納得感」だけでなく、燃える展開、絶望、涙…普通に素敵だと思う。
個人的には「ファンタジー世界の住人がテレビを見て驚く」系のワンパターンな「文明の衝突」描写を排した事でテンポが良くなったと思う。
また、とかく愚かに描かれがちな「大人」たちもそれぞれにカッコいい所も素晴らしい。子供だけで世界が救えるなら苦労はせんのよ(笑)
あおきえい作品ならではの細やかなキャラクター描写も健在で、ともすれば「借り物」になってしまいそうな各キャラクターがちゃんと立っているのが素敵。メテオラがホントに良い。
声優陣も水瀬いのりを筆頭に皆良いのだが、やはり人数の多さからか、それぞれ目立って良い部分は薄かった感。(悪い部分は全く無い)
豊崎愛生がキチンと役割を果たしていたのには好感。
あのシーンがアレだと物語が破綻するので(笑)
日本のサブカルにどれだけの歴史があるのかは把握していないが、図らずも(図ってるかも?w)この時点の業界世相を切り取った作品になっているのが面白い。百年後にカルチュラル・スタディーズの俎上にのってたりして。
本作と前後してVtuberという新しい「文化」が目立ってきたのも感慨深い。
こういうのがあると年を取るのも悪くないなぁと思えてくるわ(笑)