「異世界チート魔術師(TVアニメ動画)」

総合得点
61.4
感想・評価
388
棚に入れた
1421
ランキング
5424
★★★☆☆ 2.7 (388)
物語
2.4
作画
2.6
声優
3.0
音楽
2.9
キャラ
2.6

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 1.5 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

だめだこりゃ。

【概要】

アニメーション制作:エンカレッジフィルムズ
2019年7月 - 9月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、「小説家になろう」に連載していたweb小説を元に商業作品として作り直し、
主婦の友社(→ 主婦の友インフォス)のヒーロー文庫から刊行されている内田健によるライトノベル。
原作イラストは、Nardackが担当。
『月刊少年エース』(KADOKAWA)にて、
漫画家・鈴羅木かりん によるコミカライズ版が連載中。
監督は、筑紫大介。

【あらすじ】

『少し前までは どこにでもいる ただの高校生だったのに

 普通だと思っていたら 異世界では チートでした』

平凡な男子高校生の西村太一は幼馴染の美少女・吾妻凛と帰宅していたところ、
突然何者かによる魔法陣(魔方陣とは別物)で異世界に強制転送される。
見たことのない大草原。角があり炎を吐く馬。そして、太一と凛を助けた冒険者たち。

ここは、どう考えても地球じゃない。
何故か日本語が通じるのだが。

突然この世界に飛ばされてきた自分たちは帰る方法も分からない。
この地で生き延びていく手段を考える必要がある。

身元の保証がない自分たちの異世界暮らしの収入源として、
誰でもなれる職業の冒険者が一番てっとりばやく、
冒険者ギルドに加入するには魔力が必要と、適性検査を受けることに。

地球出身の自分たちに魔力があるわけないと諦めかけたのだが2人には強大な力が…
太一は属性を持たない代わりに固有の魔法と、一国を滅ぼしかねない巨大な魔力を持つ魔導師。
凛は普通は1属性しか持てない世界で、4つの属性を持つ四大魔術師。更には超一流魔術師並の魔力。
2人はレア中のレアだった。ギルドの指示でエルフの娘ミューラに連れられた先は、
王国最高の魔術師レミーアの棲家。彼女の特訓を受けてからギルドに登録という話に。

巻き込まれた凛と共に、チートな太一が異世界を駆ける!
これは、異世界ヒーロー物語なのである。

【感想】

主人公のルックスが賢者の孫とデスマとスマホを混ぜてモブ臭を強めた感じ。
その声もイキリ系とヤレヤレ系の両方のようでどっちつかずで、はっきりしない。
ヒロインに高橋李依を起用したのが勿体ないぐらいダメな主人公ボイス。
チートの発音も語尾を下げるのが正しいのに、わざとなのかチート(→→↑)なのがイヤ。
そもそも、チートとはコード書き換えによる不正・インチキ・ズルを意味する言葉であって、
主人公がインチキで無双するストーリーみたいな作品タイトル。
ていうか、作者がチートという単語の意味を理解していないと思いますね。
更に主人公が魔術師でなくて魔導師だという、チートでも魔術師でもないタイトル詐欺ですね。

チートというには自分のものでもない魔力を第三者から与えられて異世界人を蹂躙する話なのか?
かと思えば魔力の出どころがはっきりしない。元々の潜在能力であった可能性もある。
単にその場の空気でそれっぽい単語や台詞を並べて後に後に話を引っ張っていって、
考えれば考えるほど日本語として不可解なことだらけ。

引っ張っていくなら徐々に種明かしをするのがお約束ですが、引っ張るネタが増えていくだけで、
少なくともアニメの範囲では黒幕の存在以外に謎が明かされないままに話の幕が下りるという。
なんだろう?このモヤッとする不完全燃焼どころか最初から湿気たマッチみたいなアニメ。

主人公が規格外の才能の持ち主でありながらも師匠のもとで鍛えられて強くなったり、
チート?設定のはずなのに苦戦をしながら戦闘中に覚醒して強くなる繰り返しだとか、
ジャンプ系少年漫画の定番を形の上では踏襲しているのですが、あまり面白くないですね。
この手の物語は伏線やヘイトを積み重ねた上でのカタルシスの発散があるのが通常ですが、
戦う敵キャラが格も器も感じない中途半端な存在であったり、つまらないキャラだらけ。
倒しても主人公がかっこよくもなければ爽快感の欠片もない。
更には主人公の戦いと成長は全て黒幕の手のひらの上にある。
自分の意思で未来を切り開く話でもなく、全てが陰謀のレールの上の出来事らしいで、
主人公の栄光も挫折も自己責任とは言えない。

味方になる戦力が全員女キャラで敵がおっさんキャラばっかりと安っぽさを見せる一方で、
シリアスな成長物語を作者は志してるつもりが、物語がイチイチ不具合を起こしている。
どこかで見たような展開の継ぎ接ぎ感が見えますね。
話を見ていても伝わらない、感動出来ないですね。

中盤で主人公の覚醒イベントがあって、
ナメック星でのクリリンの如く物語の中でサブヒロインが一人犠牲になるのですが、

最初は顔を隠してる敵の女暗殺者。 → 寝返ってから、やたら主人公に胸を押し付けて色目を使う。
→そんな自分を、はじめて女の子として扱ってくれた主人公に惚れる。

サブヒロインが主人公を接待するために生まれたキャラでチョロすぎるし、
恋愛させるなら、もうちょっと考えてキャラとシナリオを作ってくれませんかね。

これで感動した人がいたら申し訳ないのですが、ポッと出のチーレム要員のメスキャラが、
主人公の覚醒引換券として、雑に殺されていく。ただのストーリーの小道具ですね。

“大事な人を守りたい”主人公の覚醒への生贄として、
主人公にとって“本当に大事な”正ヒロインの凛を殺せないから、
死にイベント作って殺されただけの2号さん、3号さん役のの身代わりキャラ。

しかもサブヒロインを殺したモンスターは主人公を殺す気もなく、
覚醒させるための試練で戦っていただけ。
手加減してたモンスターに今まで仲良くしてたサブヒロインを殺されて、
そのモンスターを撃破した後とどめを刺さず、普通に会話して逃がしてる。
え?サブヒロインの仇じゃないの?軽くない?

主人公の覚醒条件も、精霊にお願いするのではなくてを命令して戦う覚悟を持つこと。
覚悟がなかったから?覚醒できなかった。
それを教えるためだけに催眠術で操られたサブヒロインを巻き添えの生贄にした。
そんなふんわりした条件なら前もって説明も禁止ルールだとか、
理由を仮に作者に聞いてみても何も考えて無さそうで突っ込むだけ虚しい。

感動させる意図で登場人物を無理やり弄ぶのが作者の操り人形過ぎるのが見透かされて、
しかも、こんな展開だらけのために不評なアニメで終わってしまったのですよね。

本当に意味不明の茶番ですよね。

しかも自分を好きになってくれたサブヒロインと悲劇的な別れ?をした後も、
日を開けずに主人公がラッキースケベしてたり女に押し倒されたり、
悪い意味でギャルゲー脳全開のストーリー展開に、改めて安すぎる思いましたね。

師匠キャラも好きじゃないですね。弟子が礼儀知らずなら師匠は王族にも上から目線の口調。
作中で理由が示されるならともかく、師匠と王族の関係が一切明かされないために、
偉そうで痛いオバサンにしか見えない。

『あまり強い言葉を使うなよ、弱く見えるぞ。』の言葉通り、
イキリ主人公の師匠もよく吠えるイキリに見えてしまいます。
それって、格好いいですか?て聞いてみたいですね。

こうすれば、登場人物が魅力的に見えるというツボが、
作者と視聴者で大幅に異なってしまいますね。

イチイチ説明するとまた長くなるので割愛しますが、
直前の状況との整合性がとれない上っ面だけの展開の連続が最終回にまで及んでいまして、
どこかで聞いたような台詞で飾り立てて誤魔化しているだけという御粗末さ。
よくこんなのをアニメ化したなと思いました。

アニメ業界に大きなコネを持つKADOKAWAが小説や漫画の販促目的で、
そういう作品を流れ作業的にアニメ化しているのですが
これからも心に残らないアニメが量産されていくだろうという懸念。
業界のリソースの有効活用とは逆走しているのではないか?
と、このアニメを見ながら不安になりました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/02/08
閲覧 : 487
サンキュー:

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