ぺー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
YURIo !!! nICE
オリジナルアニメ
アニヲタサイドに堕ちる以前に“海外で人気”となにかしらワイドショーでやってたのをうろ覚えで。
ちょうど再放送をやるということで視聴してみました。
作画スゲー! 腐だ! BLだ!
の文脈で語られがちなんですけどちょっと待ってください。
{netabare}フィギュアスケートってそんなもんじゃないっすかね?{/netabare}
そこそこメジャーな競技です。ルールもわかれば実在の選手名やら浮かんでくることでしょう。
自分どれくらいかというと、浅田真央ちゃん現役の時は試合結果追いかけてたかな~、のそこらへんにいそうなミーハーさん級です。
ただし嫁がそれこそガキンチョ時代から現在に至るまで予選から観てたりするようなガチ勢なので“グランプリファイナル”以外のネタもTOP6人以下の選手の特徴だったりも耳に入ってきます。よって、
{netabare}・ヴィクトルってプルシェンコっぽいなぁ
・カザフスタンってデニステンかいな
・九州にスケーターなんていないっしょ。おもろい
・ランビエールが声優デビューしてる(爆笑)
・このなよっとした感じ羽○クンとか○生クンとか
・ブライアンオーサーってガチ〇モだったよな
・コーチとの距離感も安○美姫ばりに近いもんじゃん{/netabare}
妄想が捗ります。
スポーツではあるものの美を競う競技。採点競技というあいまいさ。技ごとに決められた点数あれど完全に定量化できない中で“美しい演技とはなにか?”を求めてギリギリのところでやってる人たち。トップスケーターさんに抱くイメージです。
キスアンドクライで男女問わずコーチとの距離の近さを目にする機会も多い種目でもあります。コーチと一緒に採点を見るなんて体操やシンクロなどの他競技ではなくフィギュアスケートならでは。
美しさに向き合うと狂気みたいなのはらんできませんか?
コーチと選手の距離が近いイメージありません?
腐だ! BLだ! 女子向けだ!
これを超えてなんとなく男子視聴者が許容できちゃうアニメになってるのは競技の持つ性格をしっかりスタッフが描けているからなんだと思います。
捉え方は千差万別を承知でむしろ少数派の意見かもしれませんが表層だけみてキモがるのは勿体ない。
美しさを求めてコーチと選手が二人三脚する物語
こちらが全面に出ていた熱量ある作品です。二人の距離感が近いのはこの競技ではむしろ自然!
…ん?なんかアツくなってしまいました。
手書きの作画の良さも魅力のひとつでしょう。ビジュアルでも訴えてくるものがあります。
動画だけでなく効果音を聞いてもリアルの再現にこだわっているのを感じます。滑走の際ブレードで氷の削れる音なんて本物かと錯覚するほどでした。
アニメならではの部分では転倒後の選手が自分に言い聞かせる心の声。冷静だったり動揺してたりある種アニメ的リアルさをここで感じる演出です。
スケーティングシーンが随所に出てきます。贅沢な話で、目に耳に至福が訪れると言ってよいでしょう。
すごいフィギュアフィギュアしているし、滑走シーンがリアル。
主人公勝生勇利(CV豊永利行)というキャラに一気に魅かれたシーンがあります。
{netabare}※序盤ヘタレてショボキャラを地でいき滑走直前までビビってた勇利がヴィクトルの前で、音楽が鳴った瞬間に表情が変わる。
「嗚呼このひともスケーターという人種なんだな」と妙に納得しました。{/netabare}
■美しいスケート
作品全体に流れる“美しいスケート”を希求するさまに泣きそうになりました。
ソチ五輪の真央ちゃんのフリーに込められたあれやこれやを忖度し、それから3年も現役を続けてくれたことへの感謝だったり。
競技としては日本人には納得し難かった時代が終焉。そんな時期に製作された作品がフィギュアスケートという競技の美しさを追及するものだったという意義について思いを馳せてみます。
本作:2016年の作品
浅田真央引退2017年4月
高橋大輔引退2014年10月
キムヨナ引退2014年2月
■ユリオ! ナイス
※重度ネタバレ
{netabare}実はユリオの方がヴィクトルよりも先に勇利のスケートに惹かれていた、というオチ{/netabare}
それとディーンフジオカって歌を歌うのね。これにもびっくりです。
視聴時期:2019年10月~2019年12月 再放送
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2020.02.19
《配点修正》-0.1
2020.01.29 初稿
2020.02.19 配点修正
2020.06.30 修正