takato さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「黒。良い映画は黒い画面から始まる」
「黒。良い映画は黒い画面から始まる」。完全に子供向けなぞではなく、バットマンを愛し、笑いを愛する大人向けの良質なコメディー映画。コメディーを勘違いしてる邦画の連中は爪の垢を煎じて飲め!。
バットマンとは何か?。そこから始めて、ジョーカーとは?、アルフレッドとは?、ロビンとは?、ゴッサムシティーとは?と真剣に追及した後に全部コメディーとして笑い倒しつつ表現するとはなんと大人なことか!。これこそ大人の余裕。ユーモアがあって、チャーミングで、知的で、なおかつ馬鹿馬鹿しい、これこそコメディー映画の笑いというもんだろう。
バットマンというスーパーヒーローの問題から、普遍的で時代を超えて輝く「他者を受受け入れる」というテーマへと発展していく手腕の冴え。レゴで活劇を見事に表現する手腕も素晴らしい。主役はバットマンだから、どんなキャラか説明不要かつ立ちまくり。コインの表と裏であるジョーカーの存在感も勿論素晴らしい。ニコルソン版とも、ヒース版とも違う、テレビアニメ版に近くて実に憎めない魅力がある。
最近のバットマンにあった、ジョーカー言うところの「何だ、そのしかめっ面は?」状態に本作はならない。暗いばかりで、真剣すぎて、大仰な割にはテーマにちゃんと突っ込めてないなんてことは皆無である。
ただ、ちょっと不満だったのはそのテーマの消化の仕方が、少し見え見えでこっちの上をいってくれなかった点と、せっかくなんだからスーパーマンもちゃんと参加させて欲しかったという点。まぁ、ないものねだりかな。