takato さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガイナックス伝説の始まり。
ガイナックスといえば数々の大傑作を産み出した、オタクによるオタクのための素晴らしいスタジオであった。
しかし、栄枯盛衰。色々あってもうすっかりアレなことになってしまって今やどうなるかわからない状況である。
ファンとしてはかつての輝きを忘れないように、かつ広めるしかできないだろう。
ガイナックスは「オネアミスの翼」でスタートしたが、金森氏がいない映像研みたいなもんで、意識高くて拘りまくったが売れるキャッチャーさには欠けていた。
そこで大々的にキャッチャーさを押し出したのが本作である。ロボ、美少女、熱血、セクシー!。これらの売れる要素を御座なりでなく本気で盛り込んでいる。
そして、そういった面だけでなく意識高いオタクならではの作家性やテーマ性も入れ込んでいるから、本作は売れて伝説となる古典の名作となったのである。
本作は非常に短い。故に最初は緩くて、ロボが腕立てしたりマラソンしたり、「お姉様が鉄下駄を!」みたいな80年代的なスポコンパロディーの爆笑シーンが多かった。
しかし、巻を追うごとに真剣味を増していき、最終回では信じられないような地点に行き着いてしまう。
脱構築のパロディーから始まって、そういう冷めた冗談で終わらない本気さに至っていく構成が見事すぎる。
本作は限られた濃い熱い少数なキャラに絞っているのもええが、物語の設定や展開がちゃんとキャラクターのドラマやテーマ性に結びついているのがポイントである。
宇宙というあまり巨大すぎるスケールが、時間も距離も主人公のノリコを孤独にしていく。人類のために戦っているのに、ドンドン取り残されてい…。
最終回の白黒演出は、最後のパートカラーのためもあるが、遥か彼方に行ってしまったキャラクターたちの世界を表現するには生々しいカラーより、別世界の感じがある白黒のほうが良かったのかもしれぬ。
遥かなる時の果てに…。物理的な距離という圧倒的な孤独の先に、ノリコ待っていた救済。
目に見えぬ、一見脆弱で頼りない人間の意志。しかし、それだけが時も場所も超えていく。
最終回の荘厳さするある映像と音楽で終わるラストは、数あるロボアニメの歴史の中でも白眉である。
ちなみに私は2も大好きです!。