takato さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
共に生きよう!。いつまでも少年少女じゃいられない。
ラピュタ、ナウシカなどから続く宮崎活劇アニメの到達点。
美術、作画のレベルの高さは、まさに日本アニメの最高峰!。アクションシーンの壮絶さも今まで以上に気合いが入っている。こういう点からも、宮崎アニメは教科書的な優等生作品でも、家族向けでもない事は明らか。
ストーリーは、今まで以上に複雑な存在に満ちている。エボシは単純な悪役ではなく、アシタカは単純なヒーローではなく、サンは単純なヒロインではない。誰もが、正しさと間違いを抱えている複雑な人間になっている。タタラ場の存在自体が、娼婦の問題や、被差別者の問題を抱えている、マージナルで境界線上の問題を抱えている存在なのだ。こういった要素も、一般的な宮崎アニメのイメージとは異なるものだろう。
複雑なキャラクターたちが織り成す物語だけに、安易な結末を迎えることはない。簡単に敵を倒して問題が解決するほど世界は単純ではない。間違いを抱えつつも、共に生きよう!という自由主義的な結末といってよかろう。