takato さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
武道の究極は「脱力」、即ち消力にあり。4コマ日常系では最強。
力を追い求める武道やスポーツにおいて、最終的に一番大切なのはその対極「脱力」にある(byバキ)。
「あずまんが」から始まった4コマ女子高生日常系アニメ。
大量生産されすぎて正直食傷アンド美少女動物園じゃねぇか!とあんまり好きなジャンルではなかった。
そこに究極の脱力キング「ゆゆ式」が現れてしまった…。
中途半端な「脱力」は、単に物足りないだけだが、究めれば恐ろしい存在になる。
最少の力と手数で大男も屈服させる、合気道の達人を思わせる。一見大したことないようで、とんでもない事を成し遂げている。
本作は、マジに女子高生三人が喋ってるだけである。いちを部活物ともいえるが、フリすらない。学校物の定番であるイベントですら軽く触れる程度。
絵柄もダルダルな感じで、いかにも作画が凄い!ってのを発揮しづらい感じである。
そんなんで面白くなるのか?。普通ならお粥みたいに無味になってしまうだろう。
一見大したことないように見える本作は、そんな取りつく島もないような状況を見事に成功に導いてる。
三人が延々話すだけだが、その丁々発止のやりとりの妙、シュールなギャグと言語センス、ふっと息を抜く引き算の瞬間の優しさ。
言葉にすれば簡単だし、他の作品でも目指してるのは同じだったりもするが、ここまでのレベルを達成し、飽きないどころかちゃんとクスクスさせてくれる作品がどれだけあろうか?。
ビジュアルも一見全然力が入ってないように見えるが、全くブレることがないし、見続けてると実は非常に動きを丁寧で、アニメならではの動きの心地好さに酔いしれることができる。
その点「かみちゅ!」に近いが、本作のほうがよりさりげなく控え目で京都料理か!とツッコミ入れたくなるほど。凄さをやたらアピールしない真の大人を見た…。
そして、真のポイントは音楽である。日常系において音楽は非常に重要であるが、本作は「あずまんが」から続くシンプルな癒しの曲調で素晴らしい。
しかし、それだけでなく本作の曲には不思議な高揚感まである。ED!に入る直前にいつもお馴染みの曲が流れるのだが、その曲からEDの流れで毎回幸せになってしまう奇跡!。この部分があるから毎回充実感があって薄味になりすぎ見続けられるのだ。
こんな作品いらないから、あの作品とか続きをやってくれ!ってのは数あるが、本作の2期は熱望ランキングトップクラスである。