takato さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
野球版「アカギ」、ここに降臨。「ライアーゲーム」よりこっちのが好き。
「責任を取るってのはなぁ、痛い目を見るってことだよ。」
原作は「ライアーゲーム」で有名な甲斐谷忍さん。コンセプトはシンプルで、作者自身が仰っているように野球版「アカギ」である。異端の野球作品として、こんな作品は二度と出ることはないだろう。傲岸不遜、天衣無縫な男であるcvアカギな渡久地東亜だけで素晴らしいし、普通の野球では絶対ありえない奇想極まる駆け引きの面白さは、異能系バトル漫画なんかよりよっぽどジョジョ的といえる。
更に、渡久地の魅力は、通常の野球という枠に囚われている野球界そのものを馬鹿にしきっているようで、誰よりも真剣で熱いところがそっと見え隠れする点にある。単に斜に構えたリアリスト(笑)じゃなく、誰よりも本気で大目標に向けて合理的に動いてるからこそ異端に見えてしまうというのは実に象徴的で興味深い。
通常の人間(特に日本では)は真剣に見えてもクソ真面目の類で、枠自体を疑ったり、況してや枠から出ることなんて夢にも思わない。そして、当人としては、大目標が実現するとは内心では本気で思ってないし、そのために合理的に動くにはどうしたらいいのか碌に考えもしないで、真面目に頑張っているつもりというピントがズレた事態になりがちである。だからこそ東亜の存在は輝いてくる。
声優陣はやたら豪華だし、アニメーションは「カイジ」や「アカギ」のスタッフだから文句なしなのだが、唯一無二の欠点は原作がここからより面白くなる!ってとこでアニメは終わっちゃてる点に尽きる。原作は20巻とかで綺麗に終わってて、こっからまさかの渡久地オーナー誕生とか、チーム大変革の中でチームワーク定義が問われたり、万年ドンケツなリカオンズの快進撃はここからで、なにより渡久地の熱い魂によってチームメイト達も変わっていく胸アツ展開があったりするのにぃ!。無理だろうけど2期が見たいアニメ筆頭候補です。