RFC さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
熱い戦いと成長物語!少年漫画の王道を女性コミックでやってみた と
原作未読。
かるただけどむしろスポコンだと評されており、
前々から気になっていました。
時間ができたので視聴開始。
【作品概要】
競技かるたの名人を目指す綿谷新(小6)。
普通の小学生ではありえないその力に惹かれる主人公綾瀬千早。
そのことが何か面白くない千早の幼馴染、真島太一。
小学生編後、新は実家に戻り、千早たちとは離れ離れに。
時を経て高校生となった彼らの物語が動き出す。
【作品に対する感想】
先に申しておきますが、私は百人一首が超苦手です。
小中学生の頃は正月明けかるた大会がありましたが苦痛で仕方ありませんでした。
で、今作の感想ですが、やっぱり青春全開の熱い戦いは良い!!
無茶苦茶熱いです。即刻お気に入りです。
主人公サイドは何度も何度も悔し涙を流すことになりますが、
次への成長のきっかけに変えて這い上がっていきます。
もう、おいちゃんは何度涙腺やられたか。
そして主人公サイドのキャラの深堀がすごい。
みんなばらばらのかるたの力量、生い立ち、考え方、スタンスで
みんな切磋琢磨して成長していく。
こういう作品いいですね。とても元気をもらえます。
それプラス繊細な心情描写も素晴らしいんですよ。
ただがむしゃら熱血だけでなく、かるたの戦略や技術的側面にも
踏み込まれていて、非常に密度の濃ゆい作品と思います。
おすすめの秀作です。
1)物語
人という字は…じゃないですけど、やっぱり人ってつながってて
何かしら支えあって生きてるんだなーってことを痛感させられる
物語ですね。
影響されあって、弱点を補って、成長して…。
2)作画
正直少女漫画の絵は好きになれないところは致し方なし。
ただ、試合や覚醒したシーンとか
ものすごくダイナミックに描かれています。
あと気になったのが千早が「はうっ!」ってなった時の変顔が
藤崎竜(封神演義)と被ったのですが、皆様どう思われました?
4)音楽
OP/YOUTHFUL さわやかですね。
気になるのは冒頭、千早がいろんな背景の中で佇んでいるカットが
続くシーン。何かしらの意図を込めてると思うんですが、
よくわかんないんですよね。知ってる方いたらご教授ください。
5)キャラ
➀綾瀬千早
ひたすら真っ直ぐなかるたバカ。
男子からすると恋愛対象より戦友になりそうなタイプですね。
少年漫画の主人公タイプですが、実際にいたらどうなるかなー。
女子の間では「うざい」「きもい」とか言われそうだなー。
それともそれを通り越して一目置かれるのかなー。
この娘は恋愛感情自覚してるんでしょうか?
無自覚?それともまだそこまで行ってない?
この娘は猪突猛進なんですけど、ダメって気づいたことは
ちゃんと受け入れて方向転換できるところが良いですよね。
それにイメージや妄想で判断せず、ちゃんと事実を見るところ。
メンタルの影響めちゃくちゃ受ける娘ですが、
きっとそれもいろんな人との出会いで克服していくんでしょう。
➁真島太一
小学生時代は「何でもできる」と周囲にもてはやされ、
(千早への嫉妬があったにせよ)他者を貶めてないと気が済まない
かなり器の小さい人間でしたがそこからの成長がすごかったです。
キャラデザ的には少女漫画では王子的ポジションなのかなと思いますが、
私は普通はこういうキャラ「こんな奴いねえ」って嫌悪感がでます。
しかし太一には好感が持てるのはテンプレの理想の王子様じゃなくて、
ちゃんと我欲があって、ずるいところもあって、嫉妬もして
綿谷のこととなると恋敵としてイライラしたり、絶望したり
とても人間味が溢れてるからなんですよね。
それに無茶苦茶努力家。
この手の青春劇だとなぜかこういう面倒見のいい奴が
器用貧乏で貧乏くじ引くことが多い気がするのですが、
私的には千早の隣には太一が似合う気がするなーと思ってます。
➂綿谷新
気難しいかるた一筋の少年。
ですが、グラビアこっそり見てるって男の子なところもあって
好感度急上昇。
ただ、かるたから一旦離れた理由がどうも納得できないんですよね。
➃大江奏
みんなの彼女候補No.1。
この娘嫁にするには非常にいいと思うんですが、
このメンツだと真島以外確実に尻に敷かれますね。
➄西田優征
図体はでかいがいまいち印象が薄い
➅駒野勉
嫌な奴筆頭みたいな登場でしたが、分からなくもないんですよね。
差別が得意な…かなり毒づいた言い方でしたが、事実の一部ですよね。
差別どころか差蔑になってる気もします。
ただ、それから離れて殻に閉じこもってばかりじゃたとえ勉強で1番に
なったとしても社会で生きていけないですよね。
仕事は一人で完結するものはほとんどありません。
彼こそかるた部に入部して一番たくさんのことを得て
成長したのではないでしょうか?
6)好きなシーン
試合はどれも好きだったので、それ以外から
{netabare}
➀「青春全部掛けたって新より強くなれない」
「かけてから言いなさい」
太一の気持ちすごくわかるんですよね。
力量Y = 効率a × 投入時間t + 生まれ持った何かb
才能がある人ってa,bが高いんですよね。
才能に奢り、投入時間が少ない天才なら練習時間で
追いつけることもあるけど、努力を惜しまない天才は
凡人ではとても追いつけません。
bはどうにもなりません。
しかしaは出会いや考え方の変化でいくらでも変わるし
簡単ではないけど力量差を覆すこともできます。
それは経験を積まないと得られないチャンス。
➁「綾瀬にも一字決まり20枚あるよ」(2020.4.18追記)
このシーン鳥肌立ちました。
机君すげえ!
それが解るだけのデータのとり方で、ノートにいつどうやって
採取しているのか突っ込みたくはなりましたが、
それは野暮なのでこの際無視です。
{/netabare}
7)うまく呑み込めないところ
※一部妄想等も入ってます
{netabare}
➀
5)➂の続き。
新がかるたを拒んだ理由。
タイミングが悪く、祖父の進言に従ったとはいえ、
自分が祖父の介護を外したタイミングで祖父が死去。
おそらく新は祖父の介護よりも自分の我欲を優先したことを
後悔して、恥じて、それさえなければと思っているんでしょう。
それともかるたのせいで祖父が死んだと思ってる?
しかし、祖父に限らず人は必ず死ぬもの。
新の夢は大好きなかるたの名人になること。
そのために祖父と幼少から積み上げてきたかるたの経験と力。
祖父が亡くなったことがかるたを放棄する理由になる?
祖父なら死に目にそばにいなかった新を責めたりはしないと思います。
むしろ今からの新が機会を捨てて傍にいることを責めると思います。
また、そう新を縛ってしまった自分を許せないと思います。
➁ケーキを食べられてびっくりしてる千早
鳩が豆鉄砲食らったような顔してましたが、あれば何に驚いたんでしょうか?
間接なんとかになっちゃったこと?
いきなり距離(物理的)を詰めてきたこと?
いきなり男として距離を詰めてきたこと?
このころの千早って男を男とも認識してない節があるので、
よくわからないんですけど、皆様どう思われましたでしょうか?
{/netabare}