takato さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「恋愛」、「青春」、「学園生活」より大切な物。その「情熱」の輝きこそ天を照らす。
本作は大ヒット作品だし、今更私如きが言うことは特にないが本作のポイントだと思う点をいくつか。
まず、第一にキャラが多様で立っている点だろう。学校や恋愛を中心に描いていない、むしろ私が掲げる主人公=アウトサイダーor学校の外にいる人理論に基づくように外の世界で活躍する千早たちは狭い同じような人々だけの世界にいない。
外の学校の生徒たちだけでなく、大人の競技者や指導者にも出会う。天才タイプも、秀才タイプも、三枚目タイプも色んなキャラがいるけどぞんざいに扱われる感がまるでなく、誰も彼も独自の輝きを発している。
イケメンや美少女の天才ばかり扱うなら簡単だろうが、その人の世界観や人間観の薄っぺらが露呈する。世界は多様な人間で構成されており、それぞれの輝きがあるそれが真に大人な認識だろう。
そして、個人的に本作の一番の肝は近年の傑作に通ずる要素、損得や利害を超えた「情熱」と「夢」が齎す輝きである。本作だけでなく、昨今の傑作には子供だけでなく大人でも自発的な自分自身の夢や価値をしっかり掴んでいる人々の熱い姿が作品のポイントになっているように思える。
社会がどんどん狂ってきていて、数字や効率に基づいて人の心を簡単に足蹴にするような事態がますます広がっている。そんな風潮のアンチとして、あくまでアニメや表現は人の価値、その心の輝きを描いていって欲しいものだ。
世界が全て敵になっても、「君」じゃなく自分の人としての「心」を守って欲しい。