takato さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
悠木碧伝説ここに爆誕!。楽しくてやがて悲しき祭りかな、それでも人生は続く。
もはや日本声優界のトップクラスに位置する悠木さん。本作が初主演作品だが、某花澤さんとは大違いの半端ない演技力!(ちなみに花澤さんのが好きです)。もう一人の主演みゆきちも、器用だから最近便利使いされ過ぎな気もするのが本作みたいに少年、或いは少年ぽさがあるキャラのが合ってる気がする。
本作は地味めな作風で、キャラデザもリアルめで、終盤くらいしか大きな事態は起こらない。主人公の真紅郎はハーレム状態で周りは女性だらけだが、都合の良い羨ましい感じが全くなくてどちらかといえば不憫な感じである。
しかし、本作は一周後に見直しても実に味わい深くて、ちょっとしたことでもジーンと胸を打つものがある。周りの女の人達も主人公に都合の良い人形ではなく、駄目で侘しいながらも地に足のついた愛おしさがある。これぞダメ人間萌え!。
彼等のとの一瞬一瞬、そして紫と真紅郎の小さな幸せが確かにあるほんの短い日々が結末を知るとより胸に響くものになる。1クールという短い時間であることが逆に切ないほどの輝きになっている。
そして、結末も物語内で全て解決!バンザイ〜な嘘臭さになってないのも本作らしい。しかし、だからといって絶望エンドではなく、希望が残されて終わるのが本作の誠実さの現れであると言いたい。
人生がそうであるように、物語も我々が見てないところでも続いていく。「大切なことは、コマとコマの間にあるのね」(映画「スーパー」より)。切り取った時間だけが全てではなく、彼等はこの後も生き続けることを感じさせてくれるラストは、苦さがありつつもそれだけじゃない余韻がある。
「うさぎドロップ」のリンちゃんもそうだが、キャラデザ的にも性格的にも、はい!ロリコンに媚びましたみたいなあざとすぎるキャラよりずっと生き生きとしたところがあってよろしい。体型のリアル七歳児な感じや、服を着たり脱いだりする動きでもちゃんと考えてやっているのも嬉しい。
とりあえず、悠木さんの軌跡を追いたい人なら必見の作品なのでオススメです。