takato さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
水島監督の代表作は「SHIROBAKO」や「おおふり」派
水島監督作品といえば本作が有名だが、私としては谷口監督にとってのコードギアスに近い存在です。
具体的には、悪い作品とは言わないが、この監督の傑作は他にいくつもあるじゃん、という見解です。
本作に対してリアリティーなどの面から野暮なツッコミはしません。スポ根だったりにおいて、その辺はポイントではないので。
私の不満点は、スポ根だったり競技ものとして上がる要素が普通に足りないのと、明らかに時間足らずという問題です。
時間の制限が仕方ないにしても、その範囲内で詰め込みすぎたり、足りないようにならないように調整するのは必須である。
1クールしかない上に、大量にキャラが出て、さらに総集編もあって、その上ゼロから全国制覇までやるのはいくらなんでも無理がある。
同じ水島監督作品では「おおふり」では余裕があるくらいだったので、それがより対照的でした。
そして、スポ根や競技もので上がる要素については、敵を強大に描き、それを打ち破るのにもロジックが欠けていては物足りないという点です。
ロジックとは例えば
敵にはこういう戦法がある、その戦法はこうこうだから強い、というのではないと必然性が弱くなるし、キャラが立ちづらくなる。
さらに、それを打ち破れたのは、その戦法の隙を突くためのこういう特訓をやってたから、とならないとご都合感がどうしても強くなってしまう。
なによりスポ根の醍醐味は、なんといっても具体的な目的のための特訓でしょう!。
あと、こういう素人チームが勝ち上がる作品なら「がんばれ、ベアーズ」から続く、駄目駄目な人達なんだけど、それぞれの特性があって、それを磨いたり組み合わせたりしたから勝てた、というような必然性もより必要だったろう。
さらに、競技ものなら敵のほうにも感情移入できるようになって、その敗北に悲しみや愛おしさすら覚えるようになってこそ成功と言いたい。
競技なんだから、その本質は蹴落としあいではなく、お互いを讃え合えるような形で終わるのが本当のゴールでしょう。
そのためにやたら回想を入れて、敵にもこんな悲しい事情が~的な、某海賊漫画みたいな手法の多用はどうかと思いますが。
この点も「おおふり」はあんなに上手くいってたのになぁ~という物足りなさをどうしても感じてしまったのです。
劇場版に関しては、ほぼアクションだけだったし、ガルパンじゃなきゃ有り得ない発想の戦車の使い方を色々見れたし、なにより映画館であの音響を体験できたのが良かったので、グッと好きな作品ではあります。
ただ、やはり敵のキャラの描きこみの足りなさや、特訓を上手く使えてない脚本の甘さはあったと思いますし。
ハッキリ言って廃校の件は、単なる口実でしかないんだから、さっさと済ませてどうやったら勝てるか?に注力して欲しかった。
総括すると、本作見るよりSHIROBAKOや「おおふり」見たほうが良いよって感じです。
人気がある作品なんてつまらん!とは言わないが、面白さと人気は必ずしも関係ない、というのが本作などから得られる教訓かと。