takato さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
君は日常系で号泣した事はあるか?。日常は過去と未来に繋がって…。
日常系。それは劇的な事のない世界。
ウェルメイドな良い話はあっても、そこまで感情を揺さぶられることはない。
ARIAは正にそんな作品であった。
静かにたゆたう水の穏やかの清らかさ…。本作を象徴するなら水が相応しいだろう。
劇的な事はなくても、心の灯りを点せば世界の見え方は一変する。
日常系の究極といっていい本作のテーマ。それを展開していくだけでいつまでも終わらない日常が続く…そんな風に考えていた時期が私にもありました。
水は一見いつまでも変わらないように見えるが、それは常に変化している。たゆたっているように見えた水もまた然り。
終わらない日常などない。全ては諸行無常。しかし、その痛み…!。
別に誰かが死んだわけでも、世界が滅びるわけでもないのに。なんでこんなに悲しいんだ!。
それは本当にこれまでの日々が愛しかった証。確かにここで生きていた証。
しかし、本作はそこに留まらない。諸行無常に対して諦念や寂しさで終わらず、前に進んで終わる。
アイで始まった物語はアイで終わる。水の物語は綺麗に円を描くが、物語は開かれて終わる。
水の流れは決して止まることないように。ネオヴェネチアの日々はきっと今も、これからも続いていく。想いが未来を紡いでくれる、そう信じられるから。
(追記)
20年代になって新作が連続で作られるなんて…。やはり生きてればええことがあるもんや。