takato さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
究極の日常系、ここに始まる。日常系の必須要素とは?。
本シリーズについては2期以降もレビューを書いているので、なかなかハッキリ定義されていない日常系の必須要素を挙げたいと思います。
日常系といっても「あずまんが大王」から派生した女子高生4コマ日常作品が多いが、下手すると単なる美少女動物園と化してしまいかねない(ゆゆ式みたいな傑作もある)。そこでなんとなくのジャンルや作風ではなく日常系の根本的な要諦とは何か?。 それは「優しさ」である。
しかし、それは苦難や苦悩がない、というような消極的な意味ではない。大きな出来事がなくても、積極的な人の心の優しさと世界の暖かさに包れることの幸福を意味する。
故に、舞台の背景たる優しく美しく広大さを感じられる世界構築が必須である。だから背景美術とBGMの素晴らしは欠かせない。優れた日常作品は確実にここを抑えている。
そして、人の心の有り難さと、世界に隠れている宝物を見いだせる視線(これはある意味で数寄者のそれに近いかも)が重要になってくる。それらの要素をいかに抑えるかで、感動的な域にすら達するかどうかの鍵だと思われる。
大抵の作品はそれらの価値観を根底に置いてはいるが、それがそのまま作品の物語やテーマになっている作品は少ない。本シリーズを私が最高の日常系!として推し続ける理由はそこにある。
それにしても、まさか新作劇場版がシリーズものとして作られるとは…。こういう時こそ「奇跡も魔法もあるんだよ。」ってつくづく思える。