「メイドインアビス(TVアニメ動画)」

総合得点
92.7
感想・評価
2260
棚に入れた
9351
ランキング
17
★★★★★ 4.1 (2260)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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lll1 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

久々に感動しました。応援します。

 久々に日本のテレビアニメ(新作)を観て、感動しました。
 読みづらいかもしれないです、感情に任せて書きました。あと口悪いです。


 よかったところは、音と音楽です。主題歌は知らん、どうでもいい。

 小島正幸監督の目指す演出を全力で応援したいし、褒めたい。小島監督はあきらかに、声優の主題歌を望んでないよ。第1話と第13話ではっきりした。


 第1話で、セリフ一切なしでケビン・ペンキンの曲が流れるオープニング。最近の日本のアニメはこんな当たり前にいいものを全くしなくなっている。日本のアニメにがっかりする毎日ですが、メイドインアビスは違いました。

 このオープニング観てどう思いましたか?
 私は素晴らしいと思いました、満たされました。映像と音楽で視聴者を魅せようという気が感じられる。

 このシーンで流れている曲が大して上手くもない声優が歌っているガチャガチャした曲だったらどうなっていたことか。第13話のラストも同様です。


 ゲームクリエイターの小島秀夫の『デス・ストランディング』と同様の音楽の使い方をしている。ロー・ロアーと曲調も似てますね。まぁ『デス・ストランディング』の方が後に発表された作品なんですけども。
 何が言いたいかというと、非常に映画的なんです。『メイドインアビス』も『デス・ストランディング』も。

 ここまで、音と音楽にこだわっているクリエイターが声優の歌を好む訳が無い。上手くもないし。せめてプロは使えよと。


 製作どものクリエイターファースト精神の無さも嫌だし、声優の楽曲が売れるのも不愉快だし、それが求められているのも極めてクソ。

 好きなものは好きでいいけど、いいものを無視するのは止めようよ。いいものもしっかり評価しようよ、ていうかまず観よう、聴こう。


 最初に"音"って書いたのでその部分も少し。
 背景に自然音がかなり流れてます。もっとバラエティ豊かだとなお良いんですけど、虫の音や鳥の声、建物内だと時計の音だったり、音を充実させてます。

 第1話観たとき感動したのが、オープニングと背景に流れる自然音と、会話を大切にしているところ。
 特に感情の起伏が起こらないシーンでは、会話のとき音楽を流してないです。ノイズがなく、すっきりしてます。観る側もすっきりした状態で観れます。

 言ってしまえば、当たり前の演出なんですよ。これが出来て当たり前です。だけど、昨今の日本のテレビアニメはてんで出来てない。

 映画を観る事を一切していない人たちなのか?アニメ観てアニメ作ったって、そのアニメすら超えることの出来ない二番煎じにしかならないぞ。

 それでもアニメがいいなら『カウボーイ・ビバップ』を観ろ。ストーリーじゃなくて、演出を観ろ。何をしているか、考えて観ろ。
 シーン、映像、音、音楽がいかに工夫されているか。

 第1話がまずブルースで始まるなんて、こんなアニメ観たこと無い。
 まぁ正直なこと言っちゃうとヴィム・ヴェンダースの『パリ、テキサス』のオマージュ…というよりかはもうパクリなんだけどね笑。

 でもこれを踏まえて言えるのが、渡辺信一郎は映画をたくさん観てるんですよ。『パリ、テキサス』しかり『ブレードランナー』しかり。

 一流映画の一流の演出を目指そうとしている。それがちゃんと世界に認められているから、ドゥニ・ヴィルヌーヴから『ブレードランナー』の短編アニメの依頼が来た訳です。

 小島正幸監督にはそういった部分が感じられた。尊敬するよりかは、もう応援します。頑張ってください、自分を曲げないでください、つまらない横やりに負けないでください。

 エミー賞やコミコンに日本のアニメがあったっていいじゃないか。アメリカの雑誌ででかでかと批評されているのを見たいじゃないか。高みを目指そう。


 他のスタッフが小島監督の演出をしっかり理解していたかというと、そうではない。さすがに多忙なので、小島監督が全話絵コンテを担当することは出来ないし、他のクリエイターたちも自分を出したいだろうし、育てていくことも必要です。

 第6話と第7話が阿保孝雄さんが絵コンテを担当しています。制作現場の細かな事情はさすがにわからないので、あんまり言えないんだけど、やっぱり違うんですよね。

 小島監督の目指す方向を理解していれば、こんなことはしないと思う。小島監督がちゃんと全部に指示を出せているかは分からないし、出した結果がこれなのかもしれない。

 どんな都合があるかはわからないし、誰が良いとか悪いとかどうでもいい。私はただただ一流のものが観たい。


 最終評価は 7 / 10点です。

 
 8点にしても良かったんだけど、キャラクターデザインは好みじゃないし、大原さやかの演技はひどかったし、リビドーを満たすためのやり過ぎな部分は引っかかる。2年前のアニメを、何をこんなに長々と書いてるんだろうと自分でも思うけど、観たのは最近なので、こんな熱量になってしまいました。
 映画も楽しみです。近い内に観に行きます。感想書きます。

 「メイドインアビスが好きだ!」という方は是非、アレックス・ガーランドの『エクス・マキナ』と『アナイアレイション』を観てください。

 特に『アナイアレイション』。ジャンルといい、設定が通ずるものがあるし、美と恐怖が融合した映像は目を奪う。感情を大きく揺れ動かす音楽も見事。一流の役者たちのフィクションをリアルにする腕前に見惚れてください。


 あとメイドインアビス、絵コンテが見事でした、構図が凄く上手いです。以上です。

 やっぱり 8 / 10点にします。これ褒めないと駄目だ。『鬼滅の刃』なんてひどい演出をするアニメが褒められてちゃいかん。正確には演出じゃなくて脚本が最低。

投稿 : 2020/06/07
閲覧 : 411
サンキュー:

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