TaXSe33187 さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
安定感あるアニメ化→安定感だけかな……
城平京原作のコミカライズ…のアニメ化
原作者自身ミステリ作家として面白い作品を作っており、これ以前にも漫画原作も多数手がけているためクオリティは十分
ファンタジーのギミックを絡めたミステリなので、ビジュアル的にアニメとの親和性もかなり高いと思う
で、今回のアニメ化について
1話の内容は上手く纏まっていて、導入として十分な出来
加えて、予告を見るに大蛇を先に持ってきているらしい
原作通りの順番にやってしまうと、話数的に長編の大きな事件を解決したあとに小ぶりな話を数話続けて終了…と尻切れになりかねないのでこれも上手い
多分問題なく面白いアニメになってくれると思う
小説や漫画は文字情報がやや多めなので、それを映像にどれだけ落とし込めるかって点だけが気になるポイントかも
とりあえず七瀬の劇中歌がどんな感じになるのかを一番の期待にしておこうかな
ちなみに同原作者の作品だと「名探偵に薔薇を」がスタンダードかつ面白い探偵モノなので、気になる人は読むといいかも
最終話視聴
{netabare}なんだろう、当初抱いていた期待値を常にスレスレで下回っていたような感覚がある
話の展開も作画も悪くないんだけど、それはあくまでも「漫画をそのまま追いかけている」という前提によるところ
「アニメ化した結果の面白さ」というのは特に感じられなかったという印象
大まかな構図であったり、展開上の演出であったりを漫画からそのまま持ち込んだ表現が多い
話の進行もそれら下敷きになる原作・原案から流用しただけで、話をアニメ向けに直した様子もなかった
原作を改変して悪化させることがなかったのはプラスと言えるけど、表現媒体が違うのに工夫なく話を進行させたのはマイナスかな
特に終盤のレスバ部分は漫画演出をそっくり流用していて、そのためにテンポ感が損なわれている
あの辺はモブのレスに台詞を入れたり電脳空間めいた表現にしたりせず、掲示板上の動きと主要キャラの台詞だけで良かった気がする
文字媒体の場合はレスを細かく抽出しないと主人公陣営の主張に感化される様子が分かりづらくなる
ただ、今回の場合はアニメなわけで、レスの勢いを実際のPC画面で表現してやればそれだけで説得力は生まれたように思う
というかあのシーンは理詰めで真実を暴くのではなく、荒唐無稽な推論を怒涛のように並べる勢いで掲示板住人を引きつける展開
これを時間をかけて何話も進行させたために逆にアニメ的な勢いが削がれてしまったのは微妙かな、と
七瀬が本編なのは事実なんだけど、それでも全体的に漫画の場面を整理せずただ並べた印象があまりにも強い
序盤で短編をいくつか展開させると思っていたのにそれもほとんどなく、結局鋼人七瀬で話数を使い切ってしまった
構成の下手さがあまりにも浮き彫りかつ漫画そのままの流用で、全く同じ展開・同じ絵柄・同じ構図・ただし尺の都合で小ネタをカット……
原作の出来に胡座をかかず、アニメにするならそれ相応の手間を掛けてほしかった、というのが総評
{/netabare}