剣道部 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
真実はいつもひとつ! でも、真実でなくても良いのなら、答えは無限!
[文量→中盛り・内容→感想系]
【総括】
一番近いのは、「化物語」か、「AN-GO」かな。ジャンルとしては、ミステリー+怪異譚+ラブコメ。
原作は、2012年に第12回本格ミステリ大賞で小説部門を受賞。見終わっての感想は、「推理は退屈だが、会話劇は楽しい」。
設定や展開に独自性があり、興味深い作品ではありました。が、レビュータイトルにある通り、一番クオリティ高いのは会話劇です。登場人物達の軽妙なやりとりにニヤリとしてしまいますね。
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、ミステリーの方から。
序盤の湖の話は、はっきりいって退屈で、こじつけがましく、あそこで視聴を切られても文句言えないレベル。勿論、メインである「鋼人七瀬編」をやる前に、「虚構推理」とは何かを説明する意図があったんだけど、もう少し何とかならんかね。
そして、「鋼人七瀬編」だか、これはまあなかなか。相手(六花)の弱味に漬け込み、複数の論を組み合わせて少しずつ肯定派を削り、最後に否定派へとひっくり返す手順は見ごたえがあった。
が、やはり雑さも見られ。
例えば最後に決め手となった、「鋼人七瀬まとめサイトの管理人が七瀬かりん」というのは、例えば(六花が本気なら)自分の姿を画像で晒せばひっくり返せたと思う。顔を晒すことによるリスクを回避したいなら、首から下でもいい。なぜなら、岩永自身が「寺田刑事が大きな胸に反応した」「鋼人七瀬は七瀬かりん自身が演じている」という論を組み立てており、六花の貧弱な体を見せれば、岩永の論を完全に否定できる。サイトで要求された、あるいは宣言したポーズやハンドシグナルをとれば信じられるだろう。「管理人である自分を侮辱された」とか言って。勿論、「七瀬かりんが他人に協力を依頼している」と反論できるけど、本当に言いがかりになるし、「あなたがさっき書き込んだばかりなのに他人を用意するのは難しい」「それだと、殺人犯の私が他人を巻き込むリスクがある」とし、「私はただ、鋼人七瀬という存在を信じている」で良い。
説得力ある虚構を生み出すという構造自体は面白いんだけど、やはり、真実には絶対的な力があるので、本当に頑張らないと矛盾が出てきて、真実には勝てない。
ということで、ミステリーとしては、中レベルかな~と。
ていうか、個人的にはミステリーなんてほぼいらなかった(笑) この作品は、岩永琴子が、桜川九郎と適度にいちゃついたり、弓原紗季と適度に喧嘩をしていれば、それだけで存分に面白いw
「ぐだぐだ推理なんかいっとらんで、早く痴話喧嘩しろや!」って感じで観ていましたよ、途中からw
{/netabare}
【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
ヤギのような人(笑) 会話のセンス、テンポが独特。可愛いし、声がキャラと合ってるね。やや、化物語だけどね。
2話目 ☆2
退屈。会話の楽しさがほとんどなく、知らない事件の、真実でもない予想をだらだら独白されてもね。
3話目 ☆3
凄いところで切ったな。それが、虚構推理ね。最後の会話劇だよ、楽しいのは。
4話目 ☆3
前半のやり取り、最後の会話が楽しいんだよな。
5話目 ☆3
噂がネットで拡散し、怪異を生む。わりとありがちなオチ。部屋でのやり取りが面白い。
6話目 ☆3
この未来予測の能力は面白いな。ある程度の確率が必要なのか。
8話目 ☆3
やはり、会話劇は面白い。虚構推理、次が魅せ処になるかな。
9話目 ☆2
一部を信じさせれば良い、ていう発想は面白い。が、推理は雑。
10話目 ☆3
問題を解決させて、話題を終息させる。発想は悪くないし、1度目とは違う層に訴えてるわけね。
11話目 ☆3
要素を残しての解決はなかなか面白い。リッカが本気なら、自分の姿を晒せば良いけどな。顏は隠しても、ガリガリの見た目だけでもいける。「寺田刑事が大きな胸に反応した」にも矛盾をつける。もちろん、サイトで要求された、あるいは宣言したポーズやハンドシグナルをとれば信じられるだろう。そうすれば、「管理人は鋼人七瀬ではない」が決定し、鋼人七瀬亡霊説を盛り返せそうだけどな。
11話目 ☆
12話目 ☆4
事件後まで配慮した虚構。自らが狙われることをしょうちで六花を止めた岩永。岩永をきちんと愛する九郎。そこで初めて本当に九郎を諦められた紗季。実に人間。花より綺麗、六花より綺麗ということね♪ やはり、風呂場のシーンとか、岩永姫のところとか、会話劇になると抜群に面白いな。
{/netabare}