カミタマン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
平成の終わりに蘇った歴史的名作
原作の連載が1985~95年だそうなので連載開始から35年経ているもはや古典の域に達している名作と言っていいのかと思います。自分としては少女漫画の傍流において山岸涼子の「日出処の天子」と双璧をなす金字塔かと思います。
アニメに絞って評価をすると,作り手の原作に対する愛が強く感じられる作品だと思いました。BANANA FISHをアニメ化したい!いい作品を作りたい!!連載終了後四半世紀を経てその思いが実現したアニメだと思います。
各話サブタイトルや作中で登場人物が手にしている書籍がフィッツジェラルドやヘミングウェイ,サリンジャーなど20世紀初頭のアメリカ文学由来なのもちょっといい感じがしました。最終話スタッフロールが流れ始めるあたりでセルゲイがヘミングウェイの「武器よさらば」を手にしている場面なんかちょっと感動します。なんて言いながら,自分はこれらの作品は読んだことが有りませんが^^;(「ライ麦畑でつかまえて」を途中で挫折した程度です。)
気になる点は,原作と時代設定を変える必要がなかったのではないかという点です。というか変えると話に矛盾が生じるような・・・時代設定が1980年代から現代にかわりベトナム戦争がイラク戦争になりアッシュがスマホを使い・・・ってスマホあるなら戦いも情報戦の要素とかもっと無いと変じゃない?って思います。
でも,BANANA FISH堪能しました。久々に,見終わった後の満足感がすごく有る作品でした。