シャベール大佐 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見事なCGで描かれる、擬人化された動物たちの学園青春ドラマ
様々な種類の、擬人化された動物たちが通う全寮制の学校「チェリートン学園」を舞台にした青春ドラマ。全12話。
一見すると、肉食獣と草食獣が平和的に共存しているようだけれど、その裏側には「食うもの」の本能や、「食われるもの」の恐怖が消えずに残っていて、両者の間には埋められない溝がある、というような設定。物語は学園内で起きる生徒の殺害事件から始まりますし、主人公のレゴシが所属する演劇部の人間関係などの描写も多くて、この作品の本筋がどこにあるのか、最初はよくわからなかったのですが、観続けていくと、どうやら主題は、本来なら相容れることのない存在である肉食獣(ハイイロオオカミのレゴシ)と草食獣(ウサギのハル)との間の恋、といったあたりだったようです。題材自体はそれほど珍しくないですし、ストーリーも特に先が気になるというわけではなかったのですが、キャラの心情描写は丁寧で見応えがありますし、かなり緊張感のある場面も何度かあったりして、毎回、自然と真剣に観ていました。個人的には、演劇部のスターであるアカシカのルイ先輩の、自分の弱さを克服して強くあろうと必死にあがく生き方にも魅力を感じたりして、内容も普通に面白かったと思います。
CGによる作画は、非常に綺麗。制作会社は宝石の国を作ったオレンジですが、今回はさらにレベルアップしていたようで、文句なしのクオリティでした。声も、レゴシの小林親弘、ハルの千本木彩花、ルイの小野友樹など、とても良かったです。
最後まで観終わって、かなり良く出来たアニメ作品、という感じでした。物語はまだ途中で終わっていますが、2期の制作がすでに決まっているようなので、放送されたら必ず観るつもりです。