STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
主人公不在?
原作は未読。
アドミニストレータとの戦いの後、精神喪失したキリトは本作ではついに意識戻らず、と
言うわけで、本作はアリスとアスナの物語と言えそうな内容。
まあ、キリト君に関してはこの後おそらく復活するのだろうけど、その前の長い溜めと
いったところなのかな。
中心となるのはアンダーワールド(以後、UWと表記)における人界とダークテリトリーとの
戦争で、人界側はこれまでアリシせゼーション編(以後、アリシ編と表記)に登場したキャラが、
かなり登場する、いかにも総力戦といった感が強いもの。
こういったオールスター感ある展開は楽しいものだが、シェータ・シンセシス・トゥエルブや
レンリ・シンセシス・トゥエニセブンのようにこれまで登場せず、いきなり焦点を当てた
エピソードが描かれる唐突感を感じるキャラもいたが。
戦いの行方は人界側がかなり苦しい展開ゆえに終盤近くのアスナの登場はかなり
頼もしいものになった。
もっとも戦闘はともかくキリトを巡る恋愛模様としては、これまでのリズベットやシノンが
アスナを正妻?として認め、一歩引いたスタンスだったのに対して、アリスは一歩も引かずと
いったスタンスで、今後はどうなることやら?、といった感じ。
このキリトハーレムに関しては、他のキリト好きUW女子キャラをも含めた女子会らしき
ものが催されたのが、なんだかおかしい。
一方、現実世界描写の比重も増えると同時に、UWとのリンク要素も増え、いかにも
SAOらしいテイストに。
現実世界の方もこれまでは菊岡 誠二郎と結城 明日奈(アスナ)を対立軸とした
桐ヶ谷 和人(キリト)の行方を追うものから、ガブリエル・ミラーらのオーシャン・タートル
襲撃といった血生臭いものになって、単体としても見逃せなくなってきた。
UWでの戦争の内容は、敵味方問わず戦争の悲惨さを感じさせるもの。
アリシ編のテーマとして、AIの人権を問うているような印象があるが、この戦争での苦しみを
見るに、本来人工物である存在もUWでは必死に生きる人間であることを描いていたように
思える。
この「人工物を人間と見なせるか?」といったテーマは、SAO全体を貫くテーマとも
言えそうなもの。
「仮装世界も一つの現実である」といったものにも共通するものがあるが、こちらのテーマにも
言及されており、リズベットの演説などをそれを象徴していたよう。
2020/01/14
2022/09/11 加筆・修正