disaruto さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
得難い経験、人によりけり。
「心がもやもやして、ここではないどこか遠くへ走り出したい」
誰しもこんなことを思ったことが、一度くらいはあるのでは?
本作の主人公キマリ(玉木マリ)は、高校生になったら”青春っぽいこと”
をしたいと思いながらも踏ん切りがつかず、高2になっていた。
「南極に行く」と言ってきかない校内の変人、シラセ(小淵沢報瀬)と偶然知り合い、
彼女の南極渡航計画に乗ることから物語が始まる。
ガールミーツガールで、「南極に行って帰ってくる」話。
ファンタジー要素はなく、現実の舞台に即した青春群像劇です。
派手さがないかといえば真逆で、演出がとにかくエモい。
本作の突き抜けたエモさは、1話見れば伝わるでしょう。
ちなみに、私は涙の表現が好きでした。
ドバドバこぼれるさまがとても綺麗で、本作の方針が見える気がします。
まあ裏を返せば、勢いでいろいろ誤魔化しているのも否めない。
シラセのエキセントリックさ故の行動力はアニメならではだし、
あれよあれよという間に南極に行けるとも思えない。
しかし全話見終わって断言できますが、勢いだけの作品では全くない。
まず、起承転結がスマートで見やすい。
仲間集めから初めて、何とか南極に辿り着き、そこで大きな問題と向き合い、
すべてをちゃんと解決して戻ってくる。
これだけで評価できる。(寂しい話だけど…)
伏線の貼り方やメインテーマの伝え方も、いやらしさを感じません。
{netabare}伏線はヒナタの靴、シラセのメール、メグミの絶交、南極のオーロラ、
シンガポールでの夜景の感想とかでしょうか。
細かく入っていると、終盤の感動もひとしおですわな。{/netabare}
作品の構成はすっと頭に入ってくる、エモさで心は揺さぶられる。
とても心地よいアニメ体験でした。
それにしても、本作の作風は好き嫌い別れると思うんですけど、
一様に評価高いのは驚きですね。
あと大人キャラをうまく生かし切れていないという意見も散見されますが、
私はそうは思いません。
そんな要素まで入れたら本作はパンクしますよw
13話見終わって、遊びが少ない作品だなって思ったくらいですし。
(だからちょっと百合豚的には消化不良…)
本作が放映された2018年は、世間的にも私的にも豊作の年だったと思います。
アニメおやすみ気味の私も結構視聴しましたが、「よりもい」はその中でも
一番完成度が高かったです。
ポル・グロ要素も全くなく、気持ちのいい良作でした。
我々の日常も、一歩踏み込めば輝いているのかもしれませんね。(恥ずかしいセリフ)
【蛇足】
{netabare}OP映像の日向ちゃんの水着おっぱいが気になって、
スロー再生したのは私だけでは絶対ないはず…。
怒らないから白状していいよ?(菩薩の微笑){/netabare}