Progress さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
旗揚!けものみち レビュー
introduction
最強覆面レスラー・ケモナーマスク。
アリーナの大歓声に包まれて、宿敵MAOとの決着をつける
世界タイトルマッチのゴングが
今、鳴り響いた! はずだったのだが…
試合の最中突如リングの上から異世界に召喚された
ケモナーマスクこと柴田源蔵は、
アルテナ姫から魔王と邪悪なる魔獣の退治を言い渡される。
しかしケモノを愛する源蔵はその依頼を断固拒否!
「魔獣だって愛情を持って接してやれば、無闇に人を襲ったりしない!」
彼の真の夢は、
ケモノに囲まれてペットショップを経営することだったのだ。
源蔵はこの異世界で、輝かしい第二の人生を
スタートすることができるのか!?
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さて、まず見る前の第一印象ですが、直感的に言うと入りづらいという感じでしたね。
まず主人公が半裸で筋肉ムキムキであるというので、面食らい、とりあえず見てみるか、という感じ。
ジャンルとして動物を扱うというのはタイトルから読み取れましたが、プロレスまではわからなかった。
でも、見たら結構面白かったんですよね。
それは、ケモナーマスクという個性の強いプロレスラーのキャラクター性や、
主人公柴田源蔵の異常なまでのケモノ愛を前面に押し出したコメディ。
アルテナ姫やシグレ等の女性キャラの等身いキャラの綺麗さと、可愛さのある顔立ち。
エンディング後に挟まれる実物プロレスラーのシュールな実演パート。
この辺が好印象でしたね。物語の基本はケモノ好きな源蔵がプロレス技で異世界の住人もしくは魔獣を攻略する、という感じでした。
中盤からは、本線が暗くならないような、キャラの掘り下げ、新キャラの登場などによって物語を展開していきます。
中盤で感じたのが、ペットショップ設立という目標達成を目指しているのに話が進んでないという事なんですよね。
まあ、コメディとして、目標を目指してはいるけど、なんだかんだ全然進まないというのはよくある作品の形なので。
実際、浪費が多くて目標達成できないというコメディしていましたしね。
ただ何というか物足りなさ、インパクトがどんどん落ちていた感じはします。
プロレスを扱いたいなら現実でプロレスする作品を描けばいいのであって、実際この作品は何かプロレスを知識的に掘り下げるという物を本編でしているわけではない、かつ、テンプレートにのっとった新しさのない異世界を舞台にしているために、作品に「知る」面白さがないようにも感じました。
プロレスで異世界を攻略するというサイクルを繰り返すだけでは単調になることは、作っている側も感じてはいるような中盤の構成だったと思います。
終盤に関しては、プロレスの興行を異世界で行うという、源蔵のペットショップ設立の夢は置いておき、プロレスと異世界を組み合わせた物語の結末としては良い舞台だったと思います。
特に12話のケモナーマスク対マオの対決は肉体の力強さ、試合の展開の熱さ、身体の動きの良さ、などかなり良かったように見えました。
さて、いかがだったでしょうか。
旗揚!けものみち
ケモミミであったり、ひろゆきにはじまる普通の動物、そういったケモノは可愛く描いたことは、ケモナーじゃなくても楽しめる形になったのではないでしょうか。
時には二足歩行でありながら体毛に包まれたケモノなども源蔵は愛してしまうという源蔵という高度なケモナーの領域はコメディとして扱い、視聴者を置いてきぼりにすることはなかったかなと思います。
プロレスと異世界という組み合わせは、前半はプロレス技で異世界を攻略するインパクトのある展開や絵面が重視されましたが、後半で興行をするためにプロレスに宿る精神性やストーリーなどのパフォーマンスの部分が強調されていたと思います。空手とか柔道とかの本来見せるためにあるわけではない格闘技であったら、そういう面はなかったでしょうね。
個人的には中盤が惜しい気がしますが、中々に楽しめる作品かと思います。