無毒蠍 さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 2.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
BLEACHの劇場版で唯一楽しめた作品です、 この作品でようやく一護にスポットが当たった気がする。
第一作から色々と辛辣な言葉を並べてきましたが、
少しずつですが着実に面白くなってきているんですよね。
そこは素直に評価できるところです、
ワンピースの劇場版をみてると、
面白かったりつまらなかったり微妙だったりの差が激しかったりしますし、
最初は微妙でも着実に成長していってるブリーチ劇場版はある意味すごいのかも。
かといって次回作でつまずいたら単なる幻想で終わってしまいますので頑張ってもらいたいです。
まず導入部分にあまり時間を使わなかったところが良かったと思います、
ちゃっちゃと物語を展開させテンポよく視聴できました。
前作、前々作と一護を軸にしている感じはしなかったのですが、
今回ようやく一護が軸の物語構成に仕上がっていたかな、
ルキアは物語のキーパーソンという印象で、
ルキアを軸にしている感じはありませんでした。
今回ルキアに関しての記憶、つまり存在が消されてしまいます。
しかも一護の力はルキアから譲渡されたものなので、一護に関する記憶も消えていました、
一護とルキアは一心同体のような関係性だったという感じでしょうか。
そのおかげで序盤から護廷十三隊との戦闘を描写でき盛り上げていくことができました。
でも決着がつくのは恋次くらいで他は有耶無耶な印象があります、
隊長クラスを一人くらいガチで倒してくれたほうが盛り上がったかな。
今回も終盤は総力戦でしたが前作とは違いゴチャゴチャした感じはあまりしなかったかな、
それぞれのキャラに少しではありますが見せ場と役割を用意し濃度があがったように思えます。
活躍するキャラを一護と恋次に絞ったのは好印象。
そういえば前作も一護と冬獅郎だけ敵の本陣に行くという展開でしたな、
前作と同じような展開だけど描写のしかたが違うのでこちらのほうが良い出来に感じました。
騒動の原因の姉弟ですが、
ルキアに執着する理由は名前をつけてもらいたかったからだけなのでしょうか?
一応、死神を憎んでいるという対立理由もありますが、
死神にルキアをもっていかれちゃったから憎んでるの?
それとも死神に襲われたことで憎んでるの?
前者だったら憎悪の理由としては弱いし、
後者は虚が原因だと理解しているはずなんじゃ…
弟はまだ理性的な部分がありますが姉は少し錯乱気味でしたね、
弟はルキアと一緒にいたいという感じで姉は手に入れたい、そばにおいておきたいという感じかな。
序盤で剣八は敵に繭みたいにされ戦線離脱するのですが、
終盤で復活します、絶対いつでも復活できただろw
ラストは姉弟とルキアが同化のような感じになり、
一護がルキアを貫いて救うのですが、
あれはなんでルキア助かったの?
貫いたのは虚だけとかそういうこと?
だとしたら何でそんなこと出来たのでしょうか。
恋次も一護がルキアを貫いたときには動揺していましたし、
ルキアは無事だったにしろ説明はほしかった。
作画の出来は今までの劇場版で一番良く、戦闘も見応えがありました。
特に一護VS恋次が良かったかな、
唯一決着がつくだけにね。
ただ一護の最後の「調子にのんじゃねぇー!」というセリフはもう少し何とかしてもらいたかった(笑)
ものすごい器の小ささがうかがえるセリフでした。
今回何気にコンがいい役割をこなしていました、
ルキアや自分の事を忘れられてしまっているという現実にうちひしがれているところに
コンが叱咤激励します。
全体的に最初から最後までコンはついてくるので印象に残ってます、
コンがいい感じにこの作品の清涼剤になってくれていたかな。
だからこそ最後のエピローグは必要なかったと思う、
エピローグはギャグ路線ではなくキッチリ締めてほしかったし、
ラストのあれで作品が薄っぺらくなってしまった。
姉弟とは何だったのだろうか?
虚に憑依されても逆に精神をのっとる事に成功し瞬間移動まで使用できる。
絶対普通の姉弟じゃないよね、もう少し姉弟の特異性について描写してもらいたかったです。
個人的に気になるのがブリーチの盛り上がりそうなシーンで洋楽らしきもの、
もしくは英語歌詞の曲が流れたりするのですがあまり合っていない感じがします。
狙いが少々あざとい印象、今回の場合は邦楽のほうが盛り上がったんじゃないかな。
私にとってブリーチ劇場版はようやく及第点という感じ、
徐々に面白くなってきているので次回作にも期待したいと思います。
【A80点】