シャベール大佐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
熱くて泣ける、文化系スポ根の王道を行く青春アニメ
高校の箏曲部を舞台にした青春アニメの2クール目。全13話。
物語は完全に1クール目からの続きで、全国大会出場を懸けた県予選が最大の山場となります。
全体としての感想は前作と変わらず、文化系スポ根の王道という感じで、非常に面白かったです。個別の部分でいうと、箏曲部内の恋愛感情の描写は微笑ましかったですし、新しくコーチになった堂島晶が抱えている闇や、さとわと母の関係なども、ちゃんと一つの物語になっていました。武蔵と卒業生の元部長の話や、ライバルである姫坂女学院の県予選に至るまでの経緯といった単発のエピソードも、作品に奥行きを与えていたと思います。主役である時瀬高校についても、単に全国を目指すというだけでなく、この仲間といっしょでなければ意味がないんだ、という熱い気持ちがあるところが素敵でした。クライマックスとなる県予選にも十分な尺を取っており、その過程も結果も、期待通りに盛り上がって良かったです。ただ、個人的には、珀音高校の物語についてはあまり共感できませんでした。
作画は、常に綺麗というわけではありませんが、ここぞという場面でのキャラの表情からは、その感情がダイレクトに伝わってきました。演奏シーンも割と頑張っていたと思います。音楽は、箏の曲はもちろんのこと、蒼井翔太の歌うOPも悪くなかったです。キャラは、愛と武蔵に人間的な成長が感じられましたし、さとわと妃呂もかわいくて魅力的でした。また、晶の祖母の、まるでホラーアニメにでも出てきそうな悪い顔は、観ていてちょっと笑ってしまいましたが、脇役として良い味を出していたと思います。
最後まで観終わって、真っすぐで、熱くて、泣けて、素晴らしい青春ものでした。たとえベタな内容であったとしても、やっぱりこのジャンルは観ていて気持ちが良いです。原作はまだ続いているようなので、まだこの先もアニメで観たい作品です。