TaXSe33187 さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:途中で断念した
作者は一度ネトゲをやるべきかな
日常系のVRMMOモノとしては多分初めてのアニメ化だと思う
主人公が女の子ってとこと、ゲーム系でお馴染みの極振りステのキャラクターってのがポイント
この手の設定だとソロ攻略向きのAGI特化だったり、ステじゃなくプレイングを支援縛りにするなどが多い
それに対してこの作品はVIT特化の(普通なら)ガチタン構成になる配分を初心者がしてみた、というのが一風変わったところ
ただ、その面白い発想を上手く活かせているかと言うと…
簡単に言えば、MMOどころかゲーム未経験レベルの知識量で書いただろうシナリオって感じ
きっとSAOやログホラを見て憧れて書いたんだろうな、という雰囲気が漂ってくる
とは言ったものの、シナリオだけで言えば良くも悪くも普通
初心者かつPTのいない状況に向かないキャラクリをしてしまった主人公が、棚ボタ的に強力なスキルと装備を手に入れて奇抜な戦い方で活躍する展開
ある意味で王道的な内容であり、主人公の女の子が周囲を見下してマウントを取る部分も無いから割と問題なく見れる
ガバガバ設定が物語の進行を通してマシになってくれると楽しめそうかな、という感じ
こっからゲーマーとしてのアレコレ
無駄に長くなったしシナリオに一切関係ないから読むのは非推奨
{netabare}主人公が最初に手に入れるスキルなんだけど、「一時間ノーダメ無回避継続戦闘でVIT2倍」っておかしくない?
一時間戦い続けること自体はレイドボスなら普通にありえるけど、ノーダメ無回避で戦闘を続けるって状況にスキルを設定する?
解析勢・検証勢ならいずれ入手するかもしれないけど、MMOの特性上共闘で強敵に挑むって前提があるわけで…
その前提に真っ向から反するような取得条件のスキルなんて用意する?というのが一つ
もう一つが、スキル自体の効果
乗算スキル、しかも2倍なんて用意するわけないじゃん…
数字の計算を本編でもしていたけど、2倍なんて掛けちゃうとそれだけで他のプレイヤーが追いつけなくなってしまう
勿論他のプレイヤーも同じスキルを取得すれば良いけど、そのために一時間初期マップで放置するって考えると…
仮に他のプレイヤーがこのスキル条件に気づかなかった場合、その時点で主人公の一人勝ちが確定してしまう
ネトゲって競争・共闘をキモにプレイヤーを集めていくことが基本になるわけで、運営はインフレを何よりも恐れている部分がある
能力の大幅な引き上げはレベルキャップ開放のタイミングか、末期化して客が離れたタイミングのテコ入れくらい
そういう運営の意図を考えずとも、「ネトゲはみんなでワイワイ」って前提を考えるとこのスキルは条件から性能まで全ておかしい
その後に登場する3倍スキルは最早言うまでもない
あと、毒耐性のスキル取得が早すぎない?
別に一時間かけて戦闘しろ、なんて言う気はないけど数発の被弾で取得できるなら状態異常なんて意味がなくなるでしょ…
耐性やら無効化やらってのは取得の前後で攻略に大きく影響を与えるわけで、これこそ長時間プレイを前提にしないとおかしい
「盾なのにスゲー強くなっちゃった!」だけ考えて、それ以外の設定を詰めきれてない印象がどうしても強くなる
あと気になったのが敵AIと戦闘の自由度
死んだふりが通用するとか、盾で攻撃が出来るとか、毒竜を食べられるとか、ゲームらしさに欠ける
「未来の技術」を理由になんでもありにするならただの異世界ファンタジーで良いじゃん
正道から外れたプレイってのはゲームとしてのシステム的な制約があるからこそ輝くわけで、土台が何でもありなら正道も邪道もなくなってしまう
「タンク装備なのになぜかめっちゃ強くね!?」を見せたいなら、歩くのが遅いとかじゃなく戦闘面での不便を最初に見せつけないと
「攻撃が通りづらい…」とか言った直後に盾で叩いて敵を倒してるんじゃ説得力がない
死なないけど全然攻撃が通らないから諦めて帰る、みたいなシーンがないままスキルをゴリゴリ取得するのはやり過ぎ感が強い
というか毒竜を食べきったらスキル取得、とか完全に主人公の設定がなきゃ取れないスキルだしその点もゲーム性に欠ける
最後にユニーク装備
あれはちょっと駄目でしょ…
ユニークと言われる装備ってゲームでもあるけど、それも試行回数次第で別の人が取得することが出来るのが前提
再三になるけどMMOって共闘をキモにしてるわけで、新規が戦力面で追いつけない要素を作るのは自分の首を占めることになる
本当の意味での一品物、しかも戦力に如実に影響を与えるってのはあまりに現実感がない
しかもローンチ間もないタイトルで、というのも問題
ネトゲは順次アプデが入って装備の継続的な更新を前提にしている
にも関わらず初期実装ダンジョンに突出したユニークセットを用意してしまうとサービス開始時点で天井が設定されてしまうわけで…
いずれ天井が引き上げられて装備が陳腐化するにしても、それまでの数ヶ月~数年は誰も追いつけなくなってしまう
日常系VRMMOモノを書きたい人は全員気をつけてほしいんだけど、日常系はデスゲ系よりゲーム設定の作り込みが重要になってくる
SAOは最初に作られた箱庭から世界が広がらないし、人口増加も起こらないからユニーク装備やスキルをマジのユニークにしても問題ない
その上で、二刀流以外のエクストラスキルは他の人も取得可能で、取得条件が検証されてデータが集まっているって描写がゲーム性を担保している
つまり、一時的なユニークスキルも後続の検証によって普及していくというゲームの基本設計はしっかりと守っている
SAOの優れた所は、開発者の茅場が意図的に「魔王と勇者」をモチーフにした、という理由でユニークスキルを用意していた点
そしてゲーム世界への順応を取得の条件にしていたことで、取得に無茶な要素もなく、箱庭世界の構築という茅場の目的にも合致していた
この部分でプレイヤーの行動と運営(開発)の意図が噛み合っていたことが一種の説得力になっている
今回みたいなタイプだと、ユニーク装備を作ることにゲーム制作者の意図が存在しない
それに加えて取得条件になるプレイングが特殊すぎるため、メインキャラの設定ありきの世界になってしまう
「PTボスを初見ソロ攻略」でマルチプレイが成立する?レアドロ狙いで普段からソロプレイの練習をするためにPT組まなくなるのがオチでしょ…
ユニーク装備やユニークスキルがあったほうがシナリオを作りやすいのは分かるけど、その場合「なんでユニークなのか?」を考えるべき
例えばレアドロップではあるけど他の人も取得可能とした上で、
「この構成で自由に動けるのは主人公だけ」
「武器の性能がピーキー過ぎて普通の人には使い道がない」
のようにゲーム側で用意されたモノとしてのユニークにするのではなく、プレイヤー側の取捨選択としたほうが通りが良くなるはず
正直現時点で描かれているゲーム描写を見ていてもクソゲーにしか見えないし、人気になる要素があるとは思えなかった
ゲーム性をもっと説得力を持たせるか、キャラクリの自由度や武器の設定など普通のゲームに見られない要素をもたせたほうが良い
今描かれている要素じゃ「ゲーム性は凡百、ただしバランスは劣悪」という雰囲気になってしまう
{/netabare}
2話視聴
{netabare}相変わらずゲームバランスって概念が存在しない世界
イベントになんとなく参加したらスキルとステータスと装備で他者を圧倒して3位入賞!やったね!…は?
別に勝つのは良いよ、主人公だし初っ端から躓いて予選落ちの観客になるよりはずっと良い
ただ、暇だから地面にお絵かきしてるみたいな「天然」アピールはマジで不愉快
バトルロイヤル形式のイベントをやりたくて参加したんだろ?初心者かつPVP戦は初めてなんだろ?
イベントへの期待や興奮、対人戦闘を行う恐怖や緊張、賞品のために入賞を目指す意気込み、そういうのは一切ないの?
作者としては「ほのぼの頑張る天然な女の子」を描きたくてこんな性格にしたんだってのは分かる
ただ、日常パートではゲームに熱中してイベントにやる気を出している姿を描いているわけで…
それがなんでいざゲームを開始すると早々にやる気を失ったようにお絵かきを始めるの?
ゲームに熱中してる他のプレイヤーを片手間に排除して上位に入賞して、それで「なんか勝っちゃったー!」って性格かなり悪く見えるんだけど
こんなの無自覚気取ったマウント野郎でしょ
これじゃやってることは賢者の孫と一緒
むしろ孫は力を見せた上で調子ぶっこいてるだけまだ見れるけど、こっちはマジで徹頭徹尾手を抜いた上でマウント取りに来てるからタチが悪い
自覚もないまま他人を下に見たような振る舞いを続けて天然ぶりっ子アピールしてる姿にはイラッとした
そしてイベント終了後には友人がゲームプレイを開始
友人はゲーマーってことでAGI寄りのバランス型って構成のステ振りをしている
この辺は主人公との違いを見せているって点でよく出来た場面だと思う
ただ、実際のプレイ風景になるとやっぱりガバガバ
主人公は極振りステとガバガバ条件で取得したスキルを頼りにプレイ
友人はバランスステと自分のPSを頼りに主人公に匹敵する無双プレイ
…アホでしょ?というか主人公より問題あるでしょこの設定
主人公の強さはステータスとスキル、装備に依存してるからアプデをまたぐことでナーフ食らったりと変動する要素も大きい
ところが友人キャラの場合、ゲームシステムに依らない部分の能力で他者を凌ぐ実力を得ている
要するに現時点で友人キャラの独走状態になるのが既に半確定状態にあるということになる
実際、この回で既におかしなことになっている
バランスタイプのステ振りで、
初期装備で、
初見ボスを、
水中で、
息を止め続けたまま、
無被弾で、
ソロ討伐
このアニメ見てるゲーマーは多分全員が呆れてツッコミ入れたはず
これがゲームじゃなくてマジの異世界なら「ひどい展開だなー」と思うだけではある
ただ、1話でも書いたけどこの舞台ってゲームじゃん?ゲームならゲームとしてのバランスなり設定なりあるでしょ
場当たり的に「メインキャラ素敵!」を書きたいだけで中身を考えなかった結果がコレ
序盤からこれなんだから、ここでユニーク装備を得てしまった以上以降の展開は目に見えて悪化するに決まっている
ほんと、なんでコレを書籍化~アニメ化することになったんだか…
視聴は続けるけど、この感じだと3話で切りそう
{/netabare}
結局断念
{netabare}ゲームのガバ設定が「運営がクソだからしゃーないwwwwww」で済まされたところで完全に見る気を失った
1話時点でもちょっと書いたけど、運営の意図はゲームを描く上で重要なんだって…
「悪意ある馬鹿な運営が馬鹿な調整で馬鹿なゲームを作った」が商売として成立すると思ってるの?
土台が滅茶苦茶な方が話を展開しやすいのは分かるけど、それでシナリオに没入できるわけがない
というか絶対に勝てない調整のボスを用意したってんなら現行のトッププレイヤーの装備・スキルを元にしたテストプレイくらいするだろうに
そもそも本当に調整をしているならCT0のタンク用移動防御スキルなんて馬鹿みたいなものを用意するわけがない
主人公の極振りを受けてナーフ入れて(それすら甘いけど)、でも全体的な戦力調整で言えば盾職への上方を入れてるって馬鹿でしょ?
「わたしの考えた主人公ちゃん強い!可愛い!大好き!」をやるためのシナリオ運びが全体的に雑すぎる
主人公が強いこと自体はある意味当然だし問題もないけど、強いなら強いなりの設定くらい考えてほしい
そういう設定的な甘さをひたすら我慢したところで、主人公に好感を持てる要素がひとつも無いのが致命的
能天気とか天然とかそういうポジティブな表現をする気になれないくらいふざけ続けてるじゃん?
別に効率厨ほど徹底しろなんて思わないけど、せめて目の前のイベントなりなんなりを頑張る様子を見せろよと
常時ヘラヘラしっぱなしで、ボスが出てきたときだけさも必死感だすかのように頑張ってるアピールされてもついていけない
そしてボス戦で頑張ってるアピールをしたところで全体的にぶっ壊れたバランスで圧倒するだけだから冗長さしか感じない
作画が良かろうがなんだろうが元のシナリオがどうしようもないんだから見るべき点もない
友人の何とかって女キャラのがよっぽどゲームやってるじゃん?
そっちはそっちで設定とか活躍具合とかガバガバで見ていられないけど、それでもまだ見ていて不快感もない
主人公に関してはマジのマジに棚ボタで、しかもどっかの孫みたいに無自覚気取ってるのが本当に不快
そしてそんな主人公に運営や他のプレイヤーが全員注目して、掲示板でも賛美の嵐
徹頭徹尾主人公を気持ちよくさせるために存在する世界観には正直出す反吐も残らないレベルの気持ち悪さしかない
これ以上は付き合いきれないので離脱
{/netabare}