「映像研には手を出すな!(TVアニメ動画)」

総合得点
80.2
感想・評価
596
棚に入れた
2254
ランキング
468
★★★★☆ 3.8 (596)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

映像研には手を出すな! メモ

アニメーションとしての動きもすごいし、世界観(集合住宅、団地の中の冒険)の設定も面白いですね。
原作は読んでません!アニメになるまで注目してませんでしたね。アニメを作る作品という事も知りませんでした。

About(公式サイトより引用)
「月刊!スピリッツ」(小学館)にて好評連載中の
大童澄瞳のデビュー作に、
国内外で数々の賞を獲得してきた
湯浅政明監督&スタジオ「サイエンスSARU」が手を出した!!
キャラクターデザインは浅野直之、
音楽はオオルタイチが加わり
“最強の世界”を“最強のスタッフ”でつくり上げる。
全世界が注目する電撃3人娘の冒険譚が始まる!!!!


さて、今回は丁寧に、まずは一人ひとりの公式人物紹介をさらって行きましょうか。
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浅草みどり アニメは設定が命!
芝浜高校に入学したアニメが大好きな1年生。好奇心旺盛で想像力豊かだが、人付き合いは苦手。「アニメは設定が命」が信条で、日常の風景をヒントにして、さまざまなアニメの設定をスケッチブックに描き貯めている。そのことを知っているのは同級生の金森さやかだけだったが、アニメ研の見学に訪れた際に水崎ツバメと意気投合。3人で映像研を立ち上げることとなる。いつか自分の考えた「最強の世界」で大冒険するのが夢。
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さて、浅草みどりについて、1話の印象。アニメの視点が非常にアニメオタクっぽいですね。というのも、「コナソ」を見たときに金森に言ううアニメの感想が、物語ではなく、映像の演出や効果の部分について話すことに徹底している事。物が大きく見せる技術や、人が創作の乗り物に実体感を感じる理由などを述べています。それが彼女の天性の観察力によるものか受け売りかはまだわかりませんけどね。
彼女は小説家的な人物描写を描きたいわけではなく、自分の描いた世界、物に対しての執着が強いように感じました。事実、人付き合いが苦手な設定、人物を描くのが苦手という設定からも、興味の対象は人ではなく物にあることが伺えます。

また、彼女の実行力は、映像研の3人の中では一番低い。屋上で一人で絵を描いているという行動力はありますが、ほかの二人に比べ内向的と
言えるかもしれません。
しかし、彼女の長所は物に対する観察力や知識であることが伺えます。みどりとツバメが出会い、デザインボードを重ねたときに入り込んだ彼女達の世界で、カタパルトの設定を語ったのはみどりであり、彼女が組み込んだ設定ととらえました。物がどういう仕組みで動いているかまで観察をしており、現実の技術の知識を取り込んで、自分の作る世界を構築する力があるのだと思います。


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さて次は
金森さやか 現実主義のプロデューサー
浅草みどりの同級生。長身で美脚の持ち主。アニメについては興味も知識もないが、なぜか浅草に関心を持ち、つるんでいる。お金を生み出す行動が大好きで、ふとした会話の中でも儲ける手段を考えている。映像研を立ち上げてからは、唯一の現実主義者としてプロデューサー的な役割を担当。学校側や生徒会との交渉においても見事な手腕を発揮する。浅草と水崎の能力を評価しながらも、クリエーター気質の2人に悩まされることが多い。
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彼女を舞台装置として見たとき、みどりに足りない物を補う存在としているように感じます。むしろ、みどりという存在に、実行力を与えたら人物として完璧すぎるために、あえてみどりから実行力を抜き、金森という存在を作り、協力関係を描きたいようにも見えますね。
そんな彼女の実行力とは?彼女は高校生活をモラトリアムと言い、そこにいる自分たちはノーリスクであると評価します。つまり彼女は状況判断ができるという意味では、なるほど、現実主義であるように思えます。
さらに彼女はアニメを作るという企画(金儲け)を二人に提示します。さらにアニメ研が駄目なら自分たちで部活を作ればいいという提案も。企画力がありますね。そして抜け道を探す力も見えます。

さらに彼女のみどりとツバメの作る世界での金森の役割は、三人のうちでは補助の役割、人手がいるときには手伝うような役割だったように感じます。これは妄想ですが、後々のアニメ制作でも彼女の立ち位置は変わらず、外側のプロデュース業にて行動力を発揮するタイプなのかもしれません。

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水崎ツバメ アニメーター志望!
浅草みどりの同級生。カリスマ読者モデルとして活躍しており、校内でも有名人。両親ともに役者であり、ツバメも将来女優になることを期待されている。しかし本人はアニメーター志望で、特にキャラクターの動きを描くことに長けている。両親からアニメ研への入部を禁じられていたため、浅草、金森とともに映像研として3人でアニメを作り始めることとなる。お金持ちの家庭で育ったため、他の2人とは金銭感覚がだいぶズレている。
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彼女が描くのがうまいのはキャラクターの動きであり、彼女は読者モデルであるという、うまく関連づくように作られていますよね。プロポーションは別として、モデル業におけるポージングであったりの、人の形や美しく見える構図という物が、アニメの人物の動きを理解しているという長所に繋がっていると考えさせる設定、人物紹介になっています。
みどりとツバメの作った世界では、まっさきにカタパルトの油圧を上げるために機体の外に飛び出し、駄目とわかれば機体を押す行動力を持っています。

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さて、人物紹介はそれくらいにしておいて、キャラクターデザインについて、これは原作絵がほぼそのままという感じですね。
女性的な色気とは一線を画すような印象を受けます。
ギャグマンガのようなデザインという印象を受けますが、それはなめらかではない、引っかかりのある、角のある、直線の多い曲線、そういったもので人物を描いており、かつ髪のツヤや陰影、線の少なさでシンプルな印象を受けます。

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さて世界観設定。
1話ではみどりがツバサに紹介した秘密基地的な場所の作りこみ、入り口のワクワク感、窓から見える景色、時代に取り残されたかのような場所の雰囲気づくりが気になりました。

とりあえず書く時間がないので、今回はここまでで。物語については、3人の仲間がいてアニメを作らせてみようというシンプルな印象を受けました。
1話の感想としては、みどりの冒険をイメージした世界や、みどりとツバサのイメージを重ねた世界を描写したときの、全てを完全に描くのではなく、登場人物が重要視している部分だけを丁寧に描き、ほかの背景の部分は敢えて雑っぽく見せるのが印象的でしたね。
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2話視聴。
感想の前に、1話の感想の修正です。背景の部分は敢えて雑っぽくと書きましたが、雑ではなく、イメージボードの世界なので、ラフな感じ、というのが正解かもしれません。

2話感想。原作読みました。
細かなセリフがカットされているにせよ、それを補うに余りある、「最強の世界」の描写を延長する演出がニクい。
1話でもそうですが、水の表現にはこだわりがある・・・のかもしれない。
「最強の世界」にて、みどりが水路(もしくは石畳の道路?)に水を引く描写の、水路のどこが水が流れるのが早いか?という部分に注目してほしいと思いましたね。

また、原作では風車のセルをパラパラとめくる表現が難しかったように思えますが、アニメーションでそのシーンが再現されると、なんというか動きがついた喜びのようなものを感じましたね。

3話感想
レビューなんかを趣味にしてると、登場人物のアニメの評価基準が気になってきますね。
浅草みどりは、設定、演出を評価の軸にしている。自分の世界では、多少リアルが犠牲になってもロマンを優先する傾向にある。
金森は、作り手としてはコスト、大衆(多数)に受ける派手さ
水崎は、アニメーション、動きの多さ、リアルな動きの再現性
・・・等に着目しているようです。
こうやって見ると、アニメの評価基準は多く、簡潔に、かつ多くの評価基準をフォローするレビューを書くのは大変だなと思うばかりですね。

投稿 : 2020/01/22
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サンキュー:

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