「ハイスコアガール II(TVアニメ動画)」

総合得点
82.1
感想・評価
421
棚に入れた
1704
ランキング
373
★★★★☆ 4.0 (421)
物語
4.1
作画
3.8
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

大切なことはゲームが教えてくれた

 原作は未読。
 矢口 春雄、大野 晶、日高 小春の三角関係はいよいよ大詰めとなったが、大野と日高のいずれも
魅力的で、かつ良い娘なだけにどちらに転んでも心苦しいところ。
 小春に関してはいよいよ積極的な行動に出る。ファミレスでの誘いなどはかなりエロティックな
ものであったが、普段そういった態度を取るような娘ではないゆえになりふり構わぬそのやり方が
より春雄に対する真剣度を感じさせる。
 一方の晶も彼女なりの行動を取るが、やはり自分の境遇を顧みて春雄との恋は諦めているのか、
その行動は恋愛成就のためのものではなく、思い出作りのためのもののように見えてしまう。
 それゆえに春雄の最後の行動は観ている側としても快哉を叫びたくなるようなもの。
 この時も晶は泣くだけで、結局は最後まで言葉を発しなかった晶だが、全て態度で語ると
いったスタンスが逆に良かった。

 このクライマックスでも登場するのがクレーンゲームのおまけの指輪で、この指輪が1期も
含めて要所要所で非常に良いアクセントになっていた。
 この指輪はそれ自体は安っぽいものだが、ゲームを通じて得たものだったり、初めて二人だけで
遠出をして得た物だったりといった具合に、その特徴が作品内の小物として良く出来ていた感が
あった。

 まったく言葉を発しない少女や何度も車に追突されても怪我一つない少年などといった
要素こそあれど、基本的には現実的な世界観の作品だけにラストのゲームキャラが現実世界に
介入して、春雄と晶を助ける行動に出た時はちょっと驚いたが、これも春雄と晶のゲーム愛が
生んだ奇跡として、むしろ好感触で捉えられた。
 そういう点も含めて、割合都合の良い展開の結末ではあるが、ハッピーエンドの童話を
思わせるような雰囲気は本作品に相応しいかと。

 ゲーム要素の方はゲームの対戦における内容や勝敗が1期より面白みが増しており、
eスポーツとしてのスポーツものとしての魅力が強まった感じ。
 また春雄と小春、晶と小春、春雄と晶の対戦はそれぞれに戦う理由があり、単なるゲーム対決に
終わらないところがストーリー作りの上手さを感じる。

 このストーリー作りに関しては、全体的にもゲーム、及びアーケードゲーム全盛期の時代と、
思春期の少年少女の恋愛ドラマを単に並行して描くのではなく、その両モチーフが互いに影響を
与えるといった絡ませ方が上手い。
 それを象徴するのがゲームキャラ達が春雄や晶に語りかけたりする部分で、人は色々なものに
強い影響を受けたりするが、春雄や晶がゲームを通じて得たものを人生の糧にしているのを
擬人化?したものかなと思ったり。

 好感度の高いキャラが多い印象の強かった1期だが、本作も同じくで、いずれも更に好感度が
高まった感じ。
 肉親である矢口 なみえは別にして、春雄自体が回りに好感度を与える人物ゆえに同じく
好感度の高い人達が集まってくるのかなという感が。
 1期では嫌われ役だった業田 萌美や春雄に嫌味を言うような存在だった土井 玄太なども
すっかり春雄と晶の応援者といった感じ。
 1期から春雄の良き友人であった宮尾 光太郎だが、本作での行動を見るに単なる友情を超えた
ものを感じるようなこともw。

 春雄、晶、小春の主軸となる3人を若手に、彼らを取り巻く脇キャラにベテランを配した
キャスティングだが、小春を応援する溝の口のゲーマーを始め、モブプラスアルファ的な
ゲーマーキャラにやけに豪華なキャスティングをしているところがおかしい。

2020/01/05
2020/12/17 加筆

投稿 : 2020/12/17
閲覧 : 252
サンキュー:

8

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