STONE さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
新しい主人公
本作より主役交代で、慎導 灼や炯・ミハイル・イグナトフという二人の監視官がメインに。
これまでも狡噛 慎也と常守 朱、あるいは狡噛と宜野座 伸元と、メインキャラによるバディ
ものの側面があったが、いずれも執行官と監視官という立場が違う存在であり、ストーリーを
通じて、仲を深めていく展開が見どころであったのに対して、本作は最初から仲が良いコンビで
「その過去に何があったのか?」というミステリー要素で話を引っ張っている感じ。
結局、本作時点では過去の謎は明らかにされることはなく、真相は以後のお楽しみといった
ところかな。
慎導と炯はこれまでのメインキャラとは、また違ったタイプでそれなりに魅力的。ただ、
後半以降はストーリーに動かされている感が強かったのが残念。
アクションに関しては灼はパルクール、炯はシステマの動きを導入しているのかな? いずれに
しても狡噛のシラットとはまた違った動きが面白い。
中心となる刑事課一係の顔ぶれが大幅に変わったが、新キャラと旧キャラの絡ませ方もなかなか
良い感じ。旧キャラでは霜月 美佳がこんなに愛らしい存在になるとは。
更に序盤も登場しなかった狡噛 慎也を始めとする旧キャラが後々で登場するのはちょっとした
サプライズサービス感が。
ただ良くも悪くも本作はメインキャラのバディ感が強くなったため、刑事課一係のチーム
ものという色合いは逆に弱くなった感が。
ストーリーに関しては凝った事件が多く、近未来警察ものとしてはそれなりに楽しめた。
ただ、PSYCHO-PASSをPSYCHO-PASSたらしめているシビュラシステムを中心とした社会の
設定や、それに伴うドミネーターなどのガゼットがうまく活用されていない印象。
その分、大きく描かれたのが慎導の能力メンタルトレースだが、個人的にはこの辺のくだりは
まだ面白さを感じさせるには至らず。
ストーリー展開に関しては思いっきり話途中で終わってしまったため、まだなんとも言えない。
長い原作で話途中で終わった他作品のような区切り的な締めもなかったし。
移民問題が大きなファクターを占めていたが、現実でも割と近い将来大きな問題に
なってきそうな感も。
ドミネーターと言えば、2期が1期に較べてかなりグロ描写が増えていたが、本作はその
反動か、かなり控えめ。
2020/01/05
2024/12/08 加筆・修正