ウェスタンガール さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
輪廻の蛇
貝木泥舟、物語の中での西尾維新の現身(うつしみ)、レプリカ、すなわち偽物だ。
彼は言う、想いを言葉にした途端、それは嘘になると。これは読者を謀るレトリックであると同時に、作者自身の独白でもある。
セカンドシーズンは、より映像にシフトした、と言うか映像を意識した脚本のようだ。登場人物たちは、より魅力的で、何より多弁である。そう、ここぞとばかりに思いの丈を伝えてくる。
真っ白な羽川翼が、ストレスの権化である“障り猫”と嫉妬のそれである“苛虎”を通して、傷つくこと、自身の闇と向き合う猫物語(白)。
成仏しながら幽霊でいつづける“少女”八九寺真宵、吸血鬼“幼女”忍野忍に式神“童女”の斧乃木余接を加え、阿良々木暦風に言うならボーナスステージである“傾”と“鬼”の物語は“闇の謎”とキスショットが織りなす愛と感動、“シュタゲ”張りの“タイムリープ”物といった仕上がりだ。
そして、千石撫子と戦場ヶ原ひたぎ、阿良々木暦を絡めた最終話、貝木泥舟の物語がとどめを刺す。
可愛いを演じ続け、絶対に心を開かないヤンデレ少女と貝木泥舟の凄まじきカウンセリング、いや、“神”と交わす命懸けの問答に震える。
理屈抜きで、維新、シャフトが廻らすはかりごとに身を委ね感動の涙を流すことで、自身の自己欺瞞に満ちた人生に報いることが出来る…、ような気がする、というのが率直な感想だ。
残る“花”は神原駿河の物語であるが、公開時期も異なり、番外編といった趣だ。
しかしながら、彼女はこのシリーズの影の仕掛人である臥煙伊豆湖の姪であり、貝木泥舟が最後まで拘っていた人物である事は忘れてはなるまい。
どうやら、すべての因果は巡っており、撫子ちゃんが振り回していた“輪廻の蛇”が象徴するものは?謎は深まるばかりだ。
貝木泥舟、カンバッ〜ク!
(ああそれから…)
恋物語のOP!反応した諸兄は年齢がわかるような。
80年代、やたらと目にした能天気なイラスト、“わたせ せいぞう”大先生風の世界に“ヘタれた”デュエットがマッチするだなぁ、コレが。