鰺鱒 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
それにしてもビックリした。
原作知らず。
女神様によって、とある世界を救うために別のとある世界から召喚された超ハイスペック勇者はしかし、病的なほどに慎重な男だった。慎重勇者、愛らしくも残念な女神と荷物持ちたちの異世界救済珍道中、、な感じ。
異世界もの、ギャグもの、それなり感動ものをお求めの方なら、一見の価値ありと思います。
そういえば、転生なり召喚なりを司る神様とその神様によって管理・監視される複数の世界という構図をあからさまに見せ、その神様も登場させるのって、僕が見たなかではスマホ太郎以来なんですよね。そういう意味では異世界ものをメタ的に扱ってお話を作っている部分もありますし、本作ではより明確に「見えまくる神の手」を描いています。。。あ、アクアのことを忘れていた。元祖にして本家の駄女神だった・・
二度もお休みをいれたのはビックリしましたが、作画自体はほどほどに安定していたと思います。女神の表情は結構な「動き」を入れていて、力が入っています。
==物語
{netabare}
物語全体として、とてもよかったと思います。
入りは異世界ギャグものですが、途中からまぶされてくる伏線めいたものが、ただのギャグ作品ではないことを教えてくれます。
まぶされるとは言ったものの、その提示や伏線を構成する情報の配置は結構あからさまです。勇者には「過去がある」ことが即座にわかるものでした。そこまでがギャグ路線全振りで来ていたので、これくらいでちょうどよかったのかもしれません。
僕としては、それでも終盤の展開には驚きました。想像の上をいく「過去」の中身にたじろぎました。
{/netabare}
==残念女神
{netabare}
本作、残念女神リスタルテの話芸・顔芸がかなりのウェイトを占めています。これが気に入らなければ、視聴が苦痛になるかも知れません。実際、、ちょっとやかましい感じもしました。でも、話芸も顔芸も素晴らしかったです。
逆に言えば、リスタルテ以外の登場人物はやや影が薄く感じます。慎重勇者すらも霞みます。
例によって海外の反応と合わせてみていたのですが、そちらでチラチラ見える字幕のせいで(おかげで?)、彼女の位置付けも案外早くわかってしまいました。リスタルテ=Restart-eなんですね。
{/netabare}
==ちょっとだけ残念な終盤
{netabare}
11話で急展開となる本作ですが、その展開のしかたがちょっと残念に思いました。
説明を連ねるイシスター、過去を悔いる発言のアリアドア、半狂乱のリスタルテ。全体的に台詞を詰め込みすぎです。「間」なし、余韻ゼロでせっかくの急展開を視聴する側に噛み締めさせる時間を与えてくれませんでした。個人的には、イシスターさんがほとんどの間を潰していたように思います。ほんの少しの静かな時間を挟むだけでよかったと思うのですが、尺調整と演出の考え方の違いかな、と思います。
最終話も、だいぶ急ぎ足な感じを受けました。
もったいないな。
{/netabare}
==素敵なまとめと残念フィナーレ
{netabare}
物語の締めは、上述のように少し急ぎ足な印象はあるものの、喪失感・寂寥感をひっくり返すよいまとめだったとおもいます。
でも、フィナーレが物足りない。。。OPをフィナーレに持ってくるのはよいですが、リスタルテの変顔思い出montageを中心とした構成は残念に思いました。個人的には、あれだったらOP映像の最終版(登場人物に合わせて結構変化していた)をそのままのほうが良かったように思います。
慎重勇者は映さなくとも、次の旅に向かって召喚をはじめる絵とか、ゲアブランデのその後とか、イクスフォリアの現在とか、ほんの少しでも「次」をにじませることはできなかったのかな、と思いました。
もっと良くできたと思えてしまうフィナーレで、p(`ε´q)ブーブーでした。
{/netabare}