お茶 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
品位を下げることによってもたらす期待値の操作
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。死して蠢く、ゾンビによって……否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語サガ。(TVアニメ動画『ゾンビランドサガ』のwikipedia・公式サイト等参照)あらすじ
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。で始まる、女の子が部屋で準備をし、朝 出かけるという出足はアニメのワンシーンとして多く用いられる。
このシーンが多く使用されてきたぶん、そのシーンから感じ取る雰囲気は本作特有であっても、いくつもの作品をこえて、そこに感じ取るものは何かが凝縮されていると感じる。
本作のはじまりもこれで、その抱いてきた幻想をぶち壊す。
開始直後の不可避の交通事故であった
本作はゾンビ、アイドルなどの設定とこうしたお約束を裏切ることによってもたらす、作風作りが徹底している。
ここでこうだよね?というものを、壊すことで、何というかB級アニメ宣言をしている風になっている。
もちろん、その壊しかた、方向性によっては、名作のかほりを出すこともありですが、本作のそれはB級みたいな、いわゆる作品の品位を下げることをしている。
その結果、このゾンビランドというセカイを受け入れやすい状態を作り出しているように思う。
ただ、本作の内容は考えられて作られている印象をうけました。
誰かが落ち込んで、励ましにいく構図。各キャラクターのアイドルのありかたや、生前のエピソードからクライマックスに至る過程。そもそもゾンビランド、アイドルという設定についての有り様と、あのPとの距離感や会話であったり
辛辣なことを言っちゃうと名作のかおりだけ出して、全然内容がともなっていないアニメなんかより、こうした方法で期待値を下げて、案外、いけるじゃねーか!みたいな本作の方が好きですよ。好きというか普通に面白かったです。なので、(本作はB級アニメ的な)作風作りは大切だな~とつくづく思いました。当方アニメのスカウターは持っていないので、B級とかの範囲はよく分かっておりませんw