S さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
拭いきれない低予算と大人の事情
このシリーズは本来、『ガンダム』じゃなく『ガンプラ』のアニメなのだが
シリーズを重ねるごとにガンプラバトルの意味合いが薄れつつある。
その理由は簡単で、ガンプラバトルを話の主軸にすると、たくさんのライバルを登場させ、個性豊かなガンプラを一体一体描かなきゃいけない。
そうなるとどうしても作画の手間だからだ。
前作ビルドダイバーズにもたくさんのガンプラとライバルたちがいたが、そのほとんどが驚くほど活躍シーンが少なかった。
たくさん出るプラモデルに対して、アニメの予算が追いついていないのだと思う。
今回は登場人物自体をかなり絞って減らしてるのだが、それでもキャプテン・ジオンとνジオンガンダムのようにわずか一話で出番を終えたキャラがいる。
味方のカザミとガンダムジャスティスナイトも驚くほど見せ場がない。
というか、まともに活躍してるガンプラは主人公のコアガンダム(と換装各種)と、ヴァルキランダーの二体くらいだ。
ライバルのゼルトザームとの交戦も1クールを終えた今は宇宙と地上のまだ2回ほどで、そのどちらもほぼ一瞬の交戦時間。
相手は植物状態で洗脳されてる青年だから、個人的な交流や会話のやり取りもない。
期待されていたウォドムポッドはメイがゼロダイバーで中身はモビルドールでした、というオチだったので、派手な見せ場はほぼない。
そして、敵の大部分はデスアーミーをモチーフにした無個性な無人量産機。
話はほぼ主役チームの4人と、主人公と幼なじみのヒロイン、主人公の過去回想、異世界の住人との交流、これだけで進んでいくので、ライバルとのガンプラバトル要素(競い合いや高め合い)は皆無と言っていいレベル。
こういった閉じた作風になったのは、ひとえに『予算が足りない』からだろう。
仮にも天下のガンダムシリーズの新作アニメが、YouTube配信で低予算でこのような扱い、というのは、実はシリーズ始まって以来のピンチなんじゃないか?とも心配になる。