ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
もしも東京を大地震が襲ったら・・・
マグニチュード8.0
マグニチュードというのは地震の規模を表す単位ですね
その定義には対数スケールが用いられており
マグニチュードが1大きくなると10の2分の3乗倍になります
数学が嫌いな人でもわかるように表記すると
マグニチュードが2大きくなると規模が1000倍に
あるいは0.2大きくなると規模が約2倍になるといった感じ
1995年の阪神淡路大震災がマグニチュード6.9なので
マグニチュード8.0はその40倍のエネルギーという事になります
想定しうる最大規模の地震という事で8.0という数字が選ばれたのでしょう
東日本大震災はマグニチュード9.0という事なので
劇中の地震のおよそ30倍、阪神淡路の1000倍以上の規模
気象庁観測史上最大の地震の恐ろしさがみてとれます
さて、この作品は以前にも一度興味を持って1話のみ視聴したのですが
どうも主人公小野沢未来の性格が好きになれず
長いことそのままになっていました
しかし、精神的な成長を描くためのスタート地点としては
あの一話の状態で正解なのかもしれませんね
パニックムービーと呼ばれる映画ジャンルがありますが
最初はバラバラだった家族の心が
極限状態を生き抜く中で通じ合うというのは
パニック映画の王道進行といっていいでしょう
アニメ前半の物語はまさにそれです
被災地で右往左往する群衆と
その中で翻弄される主人公たち
ドラマがピークに達したところで余震が起きて間一髪
その繰り返しを通じだんだんお互いの絆を深めてゆく・・・
毎回ドラマのピークになんともタイミングよく襲ってくる余震
本震やこれまでの余震には耐えてきた建物が
たまたま主人公たちが近くにいると崩落
ギリギリのところで助かる主人公たち・・・
なんともスリル満点な余震のシーンは
エンタ-テイメント作品としてならば
これでいいんだと思いますが
地震に対する啓蒙を目的としたアニメとしては
ちょっとどうなんでしょうね?
前振りも何も必要なく好きな時に好きな規模で起こせる余震
なんだかとても便利なガジェットと化しているように見えました
しかし後半になると物語は一変します
小野沢姉弟の絆
同行者日下部さんとその家族
離別と再会
ネタバレを避けるとあまり詳しくは書けませんが
後半はずっと物語に引き込まれっぱなしでした
震災シミュレートという基本指針を崩さずに
姉弟愛、家族愛が見事に表現されており
とても良い出来だったと思います
東日本大震災からちょうど一年がたちました
震災の影響が色濃く残っている地域もあると思いますが
首都東京ではもはや震災前となんら変わらない生活が送れます
しかしあれ以降細かい地震は確実に増えています
これらは東京を大地震が襲う予兆であるとして
4年以内に70%なんて予測を発表した研究機関もあります
いずれやってくる地震に備えて防災に勤しむのはもちろんですが
いつ何があっても悔いの残らないような生き方をしたいものですね
・・・ちょっと親孝行でもしてこようかな