Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

あの日、一緒に過ごした青春（ゲーム）を忘れない…

言わずもがなですが、この作品はハイスコアガールの続編に相当する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

これまで1期全12話とOVA3話を経て辿り着いた場所は修羅場…
純粋にゲームが大好きで、ただひたすらに格闘ゲームの強さを追い求めていた小学生の頃のみんなは、既に面影しか残っていませんでした。


少年は好きだった、ゲームが。
少女は出会ってしまった、ゲームと。

勝利への渇望と技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。
友人や家族、そしてゲームキャラクターに支えられ、少年少女たちは強く、大きく成長していった。
諦めなければ無限コンティニュー？

ハルオ、晶、小春が挑むファイナルステージの行方は!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

それぞれが、色んな思いを持って…いたかは正直微妙です。
だって、春雄は女の子の気持ちをさっぱり理解できない唐変木ですし、喋る？台詞は「もがー！」くらいの大野は何を考えているかさっぱり分からないし…
修羅場の元凶たり得る日高が一番分かりやすい強い気持ちを持っていました。

1期のラストで想いが心の中で留めておけなくて一挙に噴き出した日高でしたが、自分の気持ちに正直で素直なところ、そして何より彼女の勇気には感服でした。
本気を伝えるのって、生半可な気持ちじゃできませんから…

ゲームから生まれた思いはゲームで決着を付ける…
そんな土俵際の戦いを何度も見てきました。
一見格好良さげに見えるこの言動…でもゲームなんかじゃ人の気持ちは止められないし押さえきれない…
そんな当たり前のことを十分に刷り込まれてきた状況から今期の物語はスタートします。

本作ではこれまで見て、触れてきた沢山のモノを経て、自分と向き合い真実を導き出す様が描かれています。
きっと答えは随分前から身近にあったんだと思います。
でも気付けなかった…
元々自分の知識の領域に欠片も無いのだから無理もありません。

そして…ようやく自分の気持ちに気付きました。
周りがどれだけヤキモキしたことか…
そんな紆余曲折を経て迎えたラストは、きっと大多数の人にはハッピーエンドに映るんだと思います。
もちろん、私も感動しましたし良いラストだったと思っています。

でも、最後まで日高推しだった私の心境はちょっと複雑です。
いち早く気付いて、伝えて途中から様々な状況を知って…
決して良いことばかりじゃ無かった…寧ろ自分にとって状況が好転するカードなんて一枚も無かった。
時間の経過とともに、状況が悪化するのを誰より肌身に感じていた筈です。
起死回生のチャンスが無かった…訳ではありません。
一世一代の大勝負…全身全霊をかけてゲームに挑む場面もありました。
そこでの日高の心の中の声が胸に刺さります。

でも、どんなことがあっても彼女の想いは微塵も揺らがないんです。
これって凄いことだと思います。
想っている方も、想われている方も…
確かにみんな律儀だったし、たった一つの横着もありませんでした。
でも最後の最後まで貫いて欲しかった…というのが本音です。

一人だけ質が違っていた日高のラストの涙…
彼女にはこんな涙を流して欲しくなかったのに…
完走して益々日高の事が好きになったみたいです^^;
決着と取捨選択の物語…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、sora tob sakanaさんの「flash」
エンディングテーマは、やくしまるえつこさんの「アンノウン・ワールドマップ」
作風に合っていたからでしょう、1期と顔ぶれが同じですね。
個人的にはオープニングにハマり、ヘビロテで聴いていました。

1クール全9話の物語でした。
全9話と聞くと短く感じますが、秋アニメ放送開始からOVAの3話分が先行放送されたので、尺としては12話分確保されていました。
原作の完結までしっかり描いてくれた作り手の皆さまに感謝です。
しっかり堪能させて頂きました。