雀鬼 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
様々な要素の詰まった青春映画
「ぼくらの七日間戦争」は何年も前に読んだことがあったのですが、最初に世に出たのは80年代なんですね。今回調べて初めて知りました。それを知らずとも大分前の作品という印象だったので今頃映画化されるのは唐突感があり、それで気になっていました。
内容はあまり覚えていなかったのですが、主人公は気弱で線の細い、しかも西欧戦史オタク(個人的に最近非常に興味があるところなので親近感が湧きました)の少年で、こんな話だったっけ??と思いました。実際内容や登場人物の設定はかなり原作と変わっているみたいですね。
観ていくうちに、最近のアニメ映画ではよくあることですがネットやSNSという道具を用いた仕掛けや同性愛、不法入国者など現代的な要素も次々出てきて、令和になってから映画化する理由もわかる気がしました。原作では元々解放とか、大分昔の学生が言いそうな言葉がよく出てきている印象でしたがそのある種「古い」部分の印象や装置を一新しつつも魂を受け継いでいる感じがします。
もちろん王道青春要素だけとっても面白いものでした。しかし、ちょっと駆け足でダイジェスト感は否めなかったです。友情や愛情のカタルシス?のようなものをもっと見せてもらいたかった感じがします。
声優はすこーしだけ違和感がある感じもしましたが気になる程でもありませんでした。
自分は物語自体が重要だと思っているので作画・音楽についてもあまり分からないですが普通に良いといった程度の感想です。
自然と反抗し闘争する相手だった親たちというのが現代ではあまり措定できないので、ある意味意図的に大人なら・・・子供のくせに・・・と差別し圧迫するような表現を大人側にさせて、はっきりと悪者にしているのが印象的でした。一応大人陣営ながらも子供側に共感する部分を持ち合わせているホンダさんの存在も物語に深みを持たせていてよかったです。