「夏目友人帳(TVアニメ動画)」

総合得点
90.1
感想・評価
5005
棚に入れた
23710
ランキング
64
★★★★★ 4.1 (5005)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

友人たち

わたしがはじめて見た深夜アニメです。
それまでもちらっと見る夜中の“大人向けアニメ”に興味がなかったわけではないのですが、自分がこんなにもこの世界にハマるとは思っていませんでした。

会社の同期の友人からの「これアニメなんだけどすごく良いから見てみ!夜中だけど録画して!」と勧められたのが始まりでした。
4期が始まる時にリアタイで見始めて、同時にレンタルで1期から見始めるというとても変則的な見方で、わたしはこの夏目友人帳の世界に入り込んでいったのです。

けれど、彼女はもともとそんなにヲタという程でもなく、しかも結婚を契機に完全に脱ヲタしてしまい、一方すっかり夏目貴志くんに恋してしまったわたしはそのままズブズブと深夜アニメ沼にハマっていくことになりました。
彼女はいまやすっかり奥様です。たぶん6期は見てないでしょう。

というわけで、わたしのアニメ人生は、熱くなった頃には誰も語り合える友人がいない・・・という淋しいものになってしまったのです。

どこが「友人帳」だ。
わたしは貴志くんのせいでレイコさんのようにひとりぼっちではないか。
でもいいか。
わたしには貴志くんがいるからいいか。
いいのか???


なので普段はまったくの「隠れヲタ」なのですが、でもわたしのこの大人になってからのアニメ好きを知っている友人はいて、高校時代からのたぶん親友と言っていいと思う子なんですが、何とか仲間に引きずり込めないかとこの夏目友人帳をうちで座らせて見せたことがありました。

そこは選びに選んで1期6話 『燕』の回。(どうです?ベストチョイスでしょ?)
最初は「いいお話!」ってちょっと涙ぐんでくれたもので、わたしが調子にのって貴志くんがいかに色っぽいかを力説し、特に名前を返すときの恍惚とした悩ましい表情がたまらんからと、確か『時雨』の回を見せて、貴志くんがうっすら目を閉じて「ふぅっ…」って名前を吹き上げるその瞬間に、「ここだっ!」って叫んで振り返った時、わたしは長い付き合いでも初めてくらいの可哀想な子を憐れむ目で見返されました。

きっとその時わたしは鼻息荒く顔をほてらせていたのでしょう。
ちょっと馬の妖怪っぽかったのかもしれません。

それ以来、わたしは彼女にはわたしの趣味を許容してもらえていればそれで充分、と思うようにしています。



「友人帳」というタイトルなのに、貴志くんはひとりぼっちです。
だんだんと人間の友人も増えていきますが、でも貴志くんと同じように”見える”友人はほとんどいません。
それでも理解しようとしてくれる何人かの友人が、本当に優しくて、嬉しくて…。

2期のエンディングの雪の上の足跡を思い出します。
貴志くんひとりだけだった足跡に、曲がりくねっていろんなところからだんだんと近づいてきて、やがて並んで歩いてくれる足跡たち。


わたしはこのあにこれに入って、何人かアニメで語り合っていただける人たちと巡り会えて、実はそれはわたしにとってはひとりぼっちのトンネルからやっと暖かい光のある場所に出てこられた…みたいなすごいことだったんです。

みなさんのことを「友人」なんてお呼びしてはいけないのかも知れない。
ネットでのお付き合いなんてはかないものですものね。
貴志くんも妖怪のことは「友人」とは思ってないのかも知れないし。

だけどわたしにとってこの場所という「友人帳」は、他にはない大事な宝物です。

そうなの?と言われても
でも、そうなんだからしかたありません。

投稿 : 2019/12/21
閲覧 : 398

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